朝日を浴びるだけでダイエットにもメンタルにも良い作用が!
暖かくなってくるこの季節、朝のウォーキングを始めてみませんか?
ウォーキングは有酸素運動の代表格であり、ダイエットに効果があることは広く知られていますが、なぜ「朝」の時間帯をおすすめするのか、科学的に裏付けられたその理由を解説します。
ダイエットのためにできる最も簡単な方法は、朝日を浴びることかもしれないのです。
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日光が体の代謝を司る?
「朝日を浴びる」ということを日常生活の中で意識したことがあるでしょうか?
日光を浴びることは、人間のみならず動植物すべてにとって必要なこと。日光といっても、1日の中でも朝の光を浴びることが人間にとってメリットが多いという研究結果があります。
米・ノースウェスタン大学の研究チームによると、体重を減らすためにもっとも確実な方法は、早起きをして日光を浴びながらウォーキングなどの運動をすることが効果的であるといいます。
調査では、朝に日光を浴びる時間が早い人ほど、BMI(体格指数)は低下し、光を浴びる時間が遅いと上昇する傾向が見られました。早起きをして太陽の光を浴びることで体重は減りやすくなると、同研究チームの医師が説明しています。
7日間のこの実験期間中、実験の参加者らは光の浴び方と睡眠サイクルを測定するために手首にセンサーが付けられ、食事の記録も取りました。
その結果、運動レベルやカロリー摂取量、年齢、睡眠時間、運動量などの要因を考慮しても、光を浴びる量とタイミングにより、BMIが20%減少することが判明したとのこと。
BMIに影響を及ぼすには午前8時から正午までの20~30分間、日光を浴びるだけでも効果的だといいます。
概日リズム(サーカディアンリズム)とは
人間には約24時間で周期を刻む体内時計が備わっていて、「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼ばれています。
太陽の光は体内時計を同期するための最も強いファクターであり、体の代謝を上げ、食欲やホルモンに作用し過食を抑えるなどの、ダイエット効果があると考えられています。
体重との関係に有意性がみられたのは、500ルクス以上の光だったそうです。ルクスとは光の明るさを表す単位。
500ルクス以上の光を浴びる頻度が少ないと、BMIは1.28増えたという実験結果になりました。
屋内の蛍光灯による照明の明るさは、一般的には200~250ルクス程度。屋外ならくもりの日でも1万~3万ルクス、晴れの日は3万ルクス以上に上る明るさがあります。
肥満を予防するためには、なるべく早朝の太陽光を浴びることをお勧めすると、研究者はアドバイスしています。
そして可能であれば、朝日を浴びながらウォーキングをすることが、ダイエットにはなお良いということです。
日光不足でダイエットに影響
人間の概日リズムは、朝目覚め、日中に活動をし、夜間は眠り体の回復をするといったリズムを刻むよう、時計遺伝子にプログラムされています。
体内時計の機能は、朝起きて朝日を浴びることでリセットされ、正しく働くようになります。
日中に日光を浴びることで体内時計は正しく動き、体の各機能が適切に働きます。
反対に言えば、日光を浴びないと体が本来持っているパフォーマンスが下がってしまうことにもなりかねません。
夜食べると太るのも体内時計によるもの
同じものを同じ量食べるにしても、朝よりも夜の方が太りやすいのは体内時計が原因です。
この太りやすい体質を作っているのは「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれるたんぱく質。
夜10時頃を過ぎるとエネルギーを脂肪分として蓄えるために、BMAL1が急増して「太りやすい状態」になることが分かっています。
このBMAL1は夜に増加し、朝日を浴びることで減少するという特徴があります。
早起きをして日光を浴びることで、体内時計が正しく働くようになりBMAL1が減少。代謝機能の向上、食欲や代謝に関わるホルモンに作用し食べ過ぎることがなくなるなどの理由により、体重が減りやすくなると考えられます。
日光は心の安定と質の良い睡眠にも影響
精神状態を安定させ、前向きな気持ちや心の安らぎを感じさせてくれる「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質のセロトニン。
不足すると、不安感、イライラ、落ち込み、ストレス耐性の低下、やる気の低下など、精神バランスに悪影響を及ぼすことがあります。また、セロトニンは睡眠ホルモンであり体内時計のリズムを調整する働きのある、メラトニンの原料となります。
1000ルクス以上の強い光によってメラトニン分泌は抑制されるため、日中は少なく、暗くなる夜間には多く分泌されます。
これにより、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムなどが調整されます。
1000ルクスはコンビニ店内の明るさが目安で、上述の通り、屋外ならくもりの日でも1万~3万ルクス、晴れの日は3万ルクス以上に上る明るさがありますので、日中に屋外に出ればこの数値は軽くクリアできます。
幸せホルモンのセロトニンを適切に分泌させるには、午前中に15~30分程度日光を浴びることが有効。朝日はダイエットだけでなく、メンタルケアにも作用しているのです。
そしてセロトニンがメラトニンに変わり、夜ぐっすり眠るためには、暗くなってからはテレビやスマホ、PCなどの強い光を見ないことが大切です。
現代社会では、日中屋外に出ないことや、夜間も明るいことが普通になっていますが、朝日を浴び、夜は暗くするということを意識的に行うことが、本来あるべき体の機能を維持することに直結しています。
手のひらを太陽に向けるだけでも効果が
日光を浴びるのは紫外線ダメージが気になるという人もいると思います。しかし朝の光であればそその点もクリアすることができます。午前10時頃までであれば紫外線量も少ないので、肌へのダメージがそれほど多くないというメリットもありますし、体内時計を整える作用も期待することができます。
毎日午前中に日光浴のために外出することが難しい、また、やはり日焼けは絶対にしたくないという人もいるでしょう。暑い季節ならなおさらです。
早朝に散歩やウォーキングに出ることができればベストですが、難しい場合はベランダや庭でできる「手のひら日光浴」がおすすめです。
日光に当たるのが手のひらだけであっても、屋外の明るい光を見ることで日光浴のメリットは得られますし、手のひらは体の他の部分の皮膚よりもメラニン色素が少ないので、日焼けのリスクが低くシミなどの心配もありません。
時間帯は日の出~午前10時頃までの間、20分~30分間手のひらを太陽に向けます。
季節により光の量が異なりますので、夏なら15分、冬は30分といった具合に多少調整しましょう。また、必ずしも晴天の日なたではなくても、曇天や日陰でも効果は得られます。
日焼けが気になる人は、日焼け止めや長袖の服を着るなど、手のひら以外の部分をカバーしてください。
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Northwestern University https://news.feinberg.northwestern.edu/2014/04/Zee_light_exposure/
e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html
AFP
https://www.afpbb.com/articles/-/3011637
今回のまとめ
リモートワークやオンライン授業などで、以前よりも屋内で過ごす時間が増えている人こそ、朝日を浴びる時間を作ることを意識しましょう。
晴れた朝のウォーキングはそれだけでも気分が良くなるので、可能な人は試してみてくださいね。
もちろん外を歩かなくても、ベランダや庭で日光浴をするだけでも効果は得られます。