噛む回数を増やすとやせる?咀嚼が脂肪燃焼と代謝を高める理由

食事はよく噛んで食べることが良しとされており、小さい頃にそのように言われて育った人も多いと思います。しかしながら、現代人は昔に比べて軟らかい食事が多くなり、咀嚼回数が減少してきているようです。
噛む回数は単なる食べ方の違いではなく、脂肪燃焼や代謝に関わる重要な要素であることが分かってきています。今回は、咀嚼が代謝に与える影響と、ダイエットに役立つ理由について解説します。
【contents】
- 咀嚼は「食後の消費カロリー」を増やす
- 噛むことで脂肪燃焼を促す交感神経が活性化
- 咀嚼は満腹ホルモンを増やし、自然に食事量を抑える
- 噛む回数が少ない人は肥満リスクが高い傾向がある
- 目安は「1口30回」無理なく増やすことが重要
咀嚼は「食後の消費カロリー」を増やす

よく噛んで食べるのとあまり噛まずに食べるのでは、消費カロリーに差が生まれる可能性があるということになります。
食事をすると、体は消化・吸収のためにエネルギーを消費します。これを「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼びます。DITは、1日の総消費エネルギーの約10%を占める重要な代謝です。ある研究では、咀嚼回数を増やすことで、このDITが有意に増加することが確認されています。
つまり同じ食事内容でも、よく噛んで食べるのとあまり噛まずに食べるのでは、消費カロリーに差が生まれる可能性があるということになります。
これは、咀嚼によって脳や神経が刺激され、代謝活動が活性化するためと考えられています。
噛むことで脂肪燃焼を促す交感神経が活性化

褐色脂肪細胞はエネルギーを熱として消費する脂肪細胞であり、代謝の高さと深く関係しています。
咀嚼は、自律神経の一つである交感神経を活性化することが分かっています。
交感神経は体を活動モードにする神経であり、体温の上昇、エネルギー消費の増加、脂肪分解の促進といった作用をもたらします。実際に、ガムを咀嚼することで安静時のエネルギー消費量が増加したことが報告されています。
また交感神経は、脂肪を燃焼させる「褐色脂肪細胞」にも関与しています。褐色脂肪細胞はエネルギーを熱として消費する脂肪細胞であり、代謝の高さと深く関係しています。交感神経の活性化は、この褐色脂肪の働きを高めることが知られています。
咀嚼が交感神経を刺激し、それにより褐色脂肪細胞が高まることで、脂肪燃焼効率の向上に関与する可能性があると考えられています。
咀嚼は満腹ホルモンを増やし、自然に食事量を抑える

よく噛んで食べることで、GLP-1など満腹ホルモンの分泌が増加することが確認されています。
咀嚼は食欲を調整するホルモン分泌にも関与します。
よく噛んで食べることで、GLP-1など満腹ホルモンの分泌が増加することが確認されています。これにより満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防ぎやすくなるといった効果が期待できます。これは経験的にも納得感があるのではないでしょうか。
食事制限のような強いストレスを伴わずに摂取カロリーを抑えられる点は、大きなメリットです。
噛む回数が少ない人は肥満リスクが高い傾向がある
咀嚼と体重の関係については多くの研究があり、日本人を対象とした研究では、早食いの人は、ゆっくり食べる人と比較して肥満リスクが約1.8倍高いことが示されています。
早食いは、満腹感を感じる前に食べ過ぎることや、咀嚼による代謝刺激が少ないといった理由から、体重増加に繋がりやすいと考えられています。
目安は「1口30回」無理なく増やすことが重要

現代人の平均は10〜15回程度といわれています。
理想的な咀嚼回数は、1口あたり約30回が目安とされています。しかし、現代人の平均は10〜15回程度といわれています。
まずは、
・一口ごとに箸を置く
・飲み込む前にもう5回噛む
といった小さな習慣から始めることが現実的です。少し意識するだけで、咀嚼回数は自然に増やすことができます。ぜひ始めてみてください。
関連記事
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 〜健康づくりサポートネット〜
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-02-003
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-10-002
早稲田大学 https://www.waseda.jp/top/news/77113
日本咀嚼学会雑誌 https://web.archive.org/web/20220530194037id_/https://www.jstage.jst.go.jp/article/soshaku1991/16/2/16_2_55/_pdf
日経メディカル https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/easd2010/201009/516704.html
日本肥満症予防協会 https://himan.jp/news/2016/000151.html
今回のまとめ
噛む回数を増やすことは、最も簡単な代謝改善習慣の一つです。
ダイエットというと、食事制限や運動を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、「よく噛む」という行為は、特別な道具も時間も必要としない代謝改善習慣です。
咀嚼回数を増やすことで、
・食後の消費カロリーの増加
・脂肪燃焼を促す神経の活性化
・食欲の自然な抑制
といった変化が期待できます。
その小さな習慣が、やせ体質づくりに関わってくるのです。


































