食後の眠気は太るサイン!血糖値スパイクがダイエット失敗を招く理由

昼食後の会議や午後のデスクワーク中、がまんできないほどの睡魔に襲われる──。よくあることとはいえ、その眠気はもしかしたら単なる眠気ではないかもしれません。
最近注目されているのが「血糖値スパイク」という現象。食後に急激に血糖値が上がり、その後一気に下がることで、体にさまざまな悪影響を及ぼすとされています。
この血糖値スパイクが、実はダイエットの妨げになるということをご存じでしょうか?今回は、血糖値スパイクと体重の関係、そして今日からできる対策についてわかりやすく解説します。
【contents】
血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象のことです。
炭水化物中心の食事が多い人、食べるのが早い人、朝食や昼食を抜いて夕食をたっぷり食べる人などは、「血糖値スパイク」が起こりやすい傾向にあります。また、日常的に甘い飲み物やお菓子を摂取している場合も要注意です。こうした習慣の積み重ねが、気づかないうちにやせにくい体をつくってしまっているかもしれません。
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象のことです。通常、食事によって血糖値が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されて血糖値を下げます。しかし急激な上昇に対しては、体が大量のインスリンを分泌してしまい、今度は血糖値が急激に下がります。この乱高下が、強い眠気や倦怠感を引き起こし、さらには脂肪の蓄積や代謝の乱れにもつながっていきます。
血糖値スパイクは血管にダメージを与え、動脈硬化のリスクを高めることや、糖尿病のリスクを高める要因になることがわかっています。また、また、血糖値スパイクによってインスリンが過剰分泌され、脂肪をため込みやすくなるため、肥満を助長する可能性もあります。健康だけでなく美容やダイエットの観点からも無視できない存在です。
なぜ血糖値スパイクが太る原因に?
血糖値スパイクが太る理由として挙げられるのは、インスリンの過剰分泌によって脂肪が蓄積されやすくなる点です。インスリンは血中の糖を細胞に取り込む働きをしますが、使われなかった余分な糖は脂肪として蓄えられてしまいます。
また、血糖値が急降下することで強い眠気や倦怠感を引き起こし、体を動かす気力がなくなってしまいます。その結果、日常の活動量が減り、NEAT(非運動性熱産生)と呼ばれる日常のちょっとした動きによる消費エネルギーも減少。血糖値の乱高下によって空腹感が強まり、間食に手が伸びてしまうという悪循環に陥りがちです。
このように、血糖値の急激な上下は代謝を乱し脂肪を蓄えやすく、エネルギーを消費しにくい体を作ってしまうのです。
血糖値スパイクを防ぐ習慣

食物繊維の多い野菜や海藻、きのこ類を毎食メニューに取り入れることで、糖の吸収を緩やかにすることができます。
<食物繊維を摂る>
血糖値スパイクを防ぐためには、まず食べ方を見直すことが大切です。食物繊維の多い野菜や海藻、きのこ類を毎食メニューに取り入れることで、糖の吸収を緩やかにすることができます。次にタンパク質、そして最後に炭水化物を摂るという順番を意識するだけでも血糖値の急上昇を抑えられます。
<よく噛む>
食事中はよく噛んでゆっくり食べることも効果的です。早食いは血糖値の急上昇を招くだけでなく、満腹中枢の働きが追いつかず、食べすぎの原因にもなります。
<主食は全粒穀物を選ぶ>
主食は白米や白いパンではなく、玄米や雑穀米、全粒粉パンなどに置き換えると、GI値(血糖上昇指数)を抑えることができます。麺類ならうどんよりも蕎麦、ラーメンよりパスタのほうがGI値が低いです。
<飲み物は無糖にする>
甘い飲み物や清涼飲料水は血糖値を一気に上げるため、できるだけ控えたいところです。日常的に飲むのは水や無糖のお茶を選択しましょう。
<欠食しない>
食事を抜き空腹時間が長くなると、次の食事で血糖値が一気に上昇しやすくなります。できるだけ一日三食をバランス良く摂り、空腹時間が長くなりすぎないようにしましょう。

食後血糖値を下げるには、食べ終えて15~30分以内のちょっとした運動が有効です。
<食後の運動>
食後に軽く体を動かすことで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。たったの5分だけでもウォーキングや階段の上り下り、掃除など、軽い活動で構いません。食後血糖値を下げるには、食べ終えて15~30分以内のちょっとした運動が有効です。
⚫︎眠くならない昼食のためのメニュー例
昼食後に強烈な眠気に襲われる人は、食事内容を見直してみましょう。血糖値スパイクを防ぐには、ランチメニューの工夫も重要です。例えば、玄米と焼き魚、味噌汁、ほうれん草のお浸しという和食スタイルの定食は、血糖値の安定に向いています。全粒粉パンにゆで卵とチキンサラダ、野菜たっぷりのスープを組み合わせる洋風スタイルでも、血糖値の急上昇は抑えられます。重要なのは、タンパク質と食物繊維をしっかり摂ることです。
避けたいのは、カレー、ラーメン、丼ものといった、炭水化物がメインで1品で済むようなメニューです。もしこうしたものを食べるなら、サラダや小鉢を添え、血糖値の上昇が緩やかになるよう工夫をしましょう。
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今回のまとめ
食後の眠気は、実は「太りやすくなる体」のサインかもしれません。
血糖値スパイクは、ダイエットに取り組む上で見過ごせない要素です。
食事の順番や内容を少し工夫するだけでも、血糖値の乱高下は防げます。
朝食をきちんと摂る、食後に少し体を動かす、よく噛んでゆっくり食べるなど、どれも難しいことではありません。
血糖値と上手に付き合えば、体脂肪をため込みにくく、エネルギーをしっかり使える体へと近づくことができます。
太らない食べ方のポイントは、血糖値のコントロールにあります。

































