糖質オフが便秘の原因に?腸を整えるダイエット法とは

主食のお米やパンなど炭水化物を控える「糖質オフダイエット」が定着し、手軽に始められるダイエット法として人気を集めています。ですが、主食を減らしたら便秘になった、お腹の調子が悪くなった、といったトラブルが多いのもよくある話です。
実は、主食を抜くことによって、腸内環境が乱れやすくなるのです。腸は第二の脳ともいわれ、ダイエットや美容、メンタルにも影響を与える重要な器官。
今回は、糖質オフダイエットと便秘の関係、そして便秘知らずで続けるための食べ方のコツをご紹介します。
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糖質オフで主食を減らすと便秘に?

糖質=悪という印象から避けられがちな穀類ですが、実は食物繊維の供給源でもあります。
糖質オフダイエットでは、お米やパン、麺などの主食を減らすため、確かに体重が早く落ちやすい傾向にあります。しかし、主食を控えると同時に「便通が悪くなった」「便が硬くなった」といった変化を感じる人も多いのが実際のところ。
これは、主食に含まれる食物繊維が不足することが原因の一つ。糖質=悪という印象から避けられがちな穀類ですが、実は食物繊維の供給源でもあります。また、主食を減らすと食事全体の量も減り、便のかさが足りなくなるため、便通が滞る原因にもなります。腸のぜん動運動を促すには、一定の量が必要なのです。
さらに、主食を減らす分、肉類ばかりに偏ると、腸内細菌のバランスが崩れ、便秘や肌荒れ、太りやすい体質につながる可能性も高まります。
悪玉菌が増えるとどうなる?

善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類。それぞれがバランスを取り合って腸の健康を守っています。
腸内には100兆個以上の細菌が存在し、これらは「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内細菌は大きく分けて、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種類。それぞれがバランスを取り合って腸の健康を守っています。
善玉菌は、消化や吸収を助け、免疫力を高め、腸を酸性に保って悪玉菌の増殖を抑えるなど、体にとって良い働きをします。
一方で、悪玉菌は、肉類などの動物性タンパク質や脂質を好み、これらを過剰に摂ると有害物質やガスを発生させます。においの強い便やガス、便秘・下痢などの症状が出る場合は、悪玉菌が優位になっているサインです。
食物繊維はどのくらい必要?
現代の日本人は、戦後と比較しても食物繊維の摂取量が大きく減少しています。1947年には27.4gだったのに対し、2023年の調査では男女平均で約17.8g程度。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では健康への利益を考えた場合、少なくとも25gの食物繊維を摂取したほうが良いとされています。
穀類やいも類の摂取が減った現代では、食物繊維の摂取目標量よりかなり下回っており、意識して摂らないとすぐに不足してしまいます。
糖質オフダイエットでも腸を整えるためには?

肉は適量であれば食べるべき食品ですが、魚や大豆製品(納豆・豆腐など)も意識的に取り入れましょう。
⚫︎糖質は質で選んで適量を食べる
糖質を完全にオフするのではなく、質で選ぶことが重要です。主食を白米より玄米、食パンより全粒粉パンなどを選ぶことで、糖質による血糖値の上昇を緩やかにしながら腸を整えるのに必要な食物繊維を摂取することができます。玄米、雑穀米、全粒粉パン、そばなど、食物繊維を多く含む低GI食品を選びましょう。血糖値の急上昇を防ぎ、リバウンドも防ぎやすくなります。これらの食品は食物繊維のほか、ビタミンやミネラルも含まれています。
⚫︎タンパク質は腸に優しい種類を
肉は適量であれば食べるべき食品ですが、魚や大豆製品(納豆・豆腐など)も意識的に取り入れましょう。特に大豆は、植物性でありながら肉や魚と同等のタンパク質含有率で、豊富な食物繊維も含まれています。
⚫︎野菜は加熱してかさを減らす
サラダばかりでは、野菜たっぷりに見えても十分な食物繊維が摂れません。具だくさんのスープやみそ汁、蒸し野菜などで、加熱してたっぷりと野菜を摂りましょう。

海藻や果物、アボカドなどに含まれる水溶性食物繊維は腸内で発酵しやすく、善玉菌のエサになります。
⚫︎食物繊維は水溶性+不溶性をバランスよく
食物繊維には2種類あります。海藻や果物、アボカドなどに含まれる水溶性食物繊維は腸内で発酵しやすく、善玉菌のエサになります。不溶性食物繊維は穀類、豆類、きのこなどに多く、便のかさを増やし、腸の動きを活発にします。理想的な摂取バランスは、水溶性1:不溶性2です。
⚫︎善玉菌+エサで腸活の相乗効果
善玉菌を含むヨーグルトや味噌、納豆などと、エサとなる食物繊維・オリゴ糖を組み合わせて食べると、腸内環境をさらに整える効果が高まります。
<おすすめの組み合わせ例>
じゃがいも+チーズ/納豆+アボカド/ヨーグルト+果物+オリゴ糖シロップ
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参考サイト
令和5年 国民健康・栄養調査 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001338334.pdf?utm_source=chatgpt.com
日本人の食事摂取基準(2025年版)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316464.pdf
今回のまとめ
糖質オフで体重が減ったとしても、便秘でお腹が張ってしまったり、肌が荒れてしまっては本末転倒ですよね。
糖質を控えるだけでなく、腸に良い食べ方を心がけることで、便秘を防ぎながら健康的にやせることができます。
ポイントは食物繊維の質と量、そして腸内細菌とのバランス。
腸が整えば、体も自然と整っていきます。
































