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多くの食品に使用される「異性化糖」が肥満・老化の原因に!

異性化糖は健康面のリスクや老化を促進させる可能性があるとして、懸念されている食品でもあります
異性化糖は健康面のリスクや老化を促進させる可能性があるとして、懸念されている食品でもあります

知らぬ間に摂取しているかもしれない「異性化糖」

「異性化糖」というと聞きなれない名前ではあるものの、日本においては多くの加工食品に使用されている糖のことです。口にしたことのない人はまずいないのではないかというほど、広く利用されているものです。
異性化糖の名にはピンと来ないかもしれませんが、「果糖ブドウ糖液糖」ならどうでしょうか。異性化糖が食品の原材料名に表記される際には、この名称が用いられていることがほとんどですので、なんとなく目や耳にしたことはあると思います。
異性化糖は砂糖と同じように、食品に甘味を付けるために使用されていますが、健康面のリスクや老化を促進させる可能性があるとして、懸念されている食品でもあります。異性化糖とはどのようなものなのか解説します。

【contents】

多くの飲み物に使用されている人工的な糖

果糖ブドウ糖液糖は市販のジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ゼリー、アイスクリーム、菓子類、パン、グラノーラ、缶詰、ノンアルコールビール、缶チューハイなどありとあらゆる食品に使用されています

加工食品の原材料名でよく見かける「果糖ブドウ糖液糖」とは、「異性化糖」や「高フルクトース コーンシロップ」(以下、総称して「異性化糖」)という種類の糖類で、砂糖以上の強い甘みがあり、市販のジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料、ゼリー、アイスクリーム、菓子類、パン、グラノーラ、缶詰、ノンアルコールビール、缶チューハイなどありとあらゆる食品に使用されています。

異性化糖は、主にとうもろこしなどのデンプンを酵素や酸、アルカリなどで分解し、ブドウ糖を果糖(=フルクトース)に変えて作られる液糖のことを指しています。
ブドウ糖よりも果糖のほうがより甘みが強く、しかも砂糖よりも安価なため、こうした異性化が行われています。

異性化糖の分類

異性化糖が使用されている食品の原材料表示には、日本農林規格(JAS)の制定により、果糖の含有率で名称が変わり、下記のように記載されています。
下記の中で最もよく目にするのが「果糖ぶどう糖液糖」です。

■ブドウ糖果糖液糖
果糖含有率(糖のうちの果糖の割合)が50%未満のもの。

■果糖ぶどう糖液糖
果糖含有率が50%以上90%未満のもの。

■高果糖液糖
果糖含有率が90%以上のもの

■砂糖混合異性化液糖
上記の液糖に10%以上の砂糖を加えたもの
(その液糖がブドウ糖果糖液糖なら砂糖混合ブドウ糖果糖液糖)

果糖とブドウ糖の違い

果物には果糖だけでなく、ブドウ糖、ショ糖など複数の糖が複合的に含まれています。ショ糖というのは、ブドウ糖と果糖が結合したもののことです

果糖とブドウ糖はどちらも糖類ですが、どういった点が異なるのでしょうか?

果糖はその字面から果物に含まれる糖類というイメージのように、実際に果物の甘みの主成分が果糖です。ただ果物には果糖だけでなく、ブドウ糖、ショ糖など複数の糖が複合的に含まれています。ショ糖というのは、ブドウ糖と果糖が結合したもののことです。

果糖は砂糖の1.5倍程もの甘さがありながらも、小腸で吸収後、肝臓で代謝されエネルギーになるため、血糖値の上昇に直接的には関わっていません。しかし、過剰摂取は肝臓への負担や中性脂肪になりやすいという側面があります。また、満腹感を得られにくいのも特徴です。

果物から自然の果糖を摂るのであれば、果物の食物繊維によって穏やか吸収されますし、ビタミン、ミネラル、フィトケミカル(微量栄養素)など、その他の様々な栄養素も摂取することができます。常識的な量の果物から摂取する果糖の量であれば、体に害はなく問題はありません。

一方ブドウ糖は、米、パンやうどんなど小麦製品、芋類など穀類に多く、食物繊維と結合した「炭水化物」の形で含まれ、体内でブドウ糖に分解され脳や体のエネルギー源となります。
ブドウ糖は小腸で吸収されその後血中に入り血糖値が上昇し、血液がブドウ糖を全身に運ぶことでエネルギーとして利用され、余剰分は中性脂肪となって蓄積されます。

このように果糖とブドウ糖は代謝経路が異なり、血糖値を上昇させない果糖のほうが優れているような印象を受けます。しかし、「果物は太りやすい」と言われているように、果糖のほうが中性脂肪に変わりやすいので、摂取量には注意が必要です。

異性化糖が危険な理由

ブドウ糖は、米、パンやうどんなど小麦製品、芋類など穀類に多く、食物繊維と結合した「炭水化物」の形で含まれ、体内でブドウ糖に分解され脳や体のエネルギー源となります

果糖を摂取するシチュエーションとしては、果物を食べる時のほか、「異性化糖」を原材料に使われているものを口にする際です。
果物から自然の果糖を摂るのであれば、果物の食物繊維によって穏やか吸収されますし、ビタミン、ミネラル、フィトケミカル(微量栄養素)など、その他の様々な栄養素も摂取することができます。常識的な量の果物から摂取する果糖の量であれば、体に害はなく問題はありません。「朝の果物は金」という言葉があるように、特に朝食べる適量の果物は、体に良い作用をもたらしてくれます。

しかしながら、異性化糖を使った飲み物や加工食品は、一度に大量の果糖を摂取することになってしまい、太りやすいだけでなく肝臓へ負担がかかってしまいます。
カリフォルニア大学の研究では、カロリー摂取量が多い人が過度に果糖を摂取すると、肥満、高血圧、痛風、脂質異常症、メタボリックシンドローム、糖尿病、非アルコール性脂肪肝になりやすいとの報告があります。

体の焦げ付き物質「AGEs(終末糖化産物)」の発生

また、果糖の過剰摂取は肥満につながるだけでなく、老化を加速してしまうというデメリットがあります。果糖はブドウ糖よりも「体の焦げ付き」を促進させるAGEs(エイジス・終末糖化産物)を多く発生させるためです。

AGEsによる老化は、肌のくすみや、ハリが失われたりシワが増えたりなど、見た目の老化だけに留まらず、内臓、血管、脳、骨、髪など全身にまでその影響を及ぼし、多くの疾患を引き起こす原因となり得ます。

世界中で、特に途上国で増加が著しい肥満問題と糖尿病の原因としても、異性化糖の多い炭酸飲料をはじめとする清涼飲料水の過剰摂取が問題視されています。
ジュース、スポーツドリンクなど、原材料に異性化糖が使用されているものをたくさん飲んでしまうと、大量の果糖を摂取することになりますので、自分の身を守るためにも必ず原材料表示をチェックし、異性化糖が含まれているものはなるべく避け、のどが乾いたら無糖のお茶か水を選ぶようにしましょう。

参考

リバーシティクリニック https://rivercity-clinic.jp/imc/anti-glycation/column_16/
日本甜菜製糖株式会社 https://www.nitten.co.jp/syrup.html
e-ヘルスネット(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html

今回のまとめ

自分や家族が口にするものがどのようなものなのかは、できるだけ知っておきたいですよね。正しく知って、健康的な食品を選べるようになりましょう。

Category : 雑学/健康・ダイエット / 雑学/美容

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