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脂肪をたっぷり摂取してこそやせられる!?高脂肪食ダイエットとは

高脂肪食こそ健康的にダイエットができるという「高脂肪食ダイエット」というものがアメリカで話題に
高脂肪食こそ健康的にダイエットができるという「高脂肪食ダイエット」というものがアメリカで話題に

「脂肪=太る」を覆す新ダイエット法

脂肪は高カロリーですし、成人病のリスクが高まるもの。体に必要な栄養素とはいえ、現代の食生活では意識的に摂取しなくても必要量以上に摂れています。ダイエットや健康のためには摂取量を抑えることを意識するべき。
これが脂肪に対する一般的な認識ではないでしょうか。

これを真っ向から否定し、高脂肪食こそ健康的にダイエットができるという「高脂肪食ダイエット」というものがあります。アメリカで話題となったこのダイエット法、実際のところはどうなのでしょうか?

【contents】

高脂肪食ダイエットとはどんなもの?

高脂肪食ダイエットでは脂肪たっぷりの牛肉やバターなど動物性脂肪から、オリーブオイルやココナッツオイル、脂の乗った魚まで積極的に食べることが推奨されている

「高脂肪食ダイエット」は、言葉通り高脂肪なメニューを食べることを推奨し、その一方で穀類や根菜類などすべての糖質を徹底的にオフするというダイエット法。ここしばらくのダイエットのトレンドである糖質制限ダイエットを更に強化し、もうひとつ「高脂肪」という条件が加わるようなイメージです。

これまでの糖質制限ダイエットでは、鶏胸肉に代表される高タンパク低脂肪な食品が推奨されてきましたが、高脂肪食ダイエットではそれを否定し、脂肪たっぷりの牛肉や生クリーム・バターなどの動物性脂肪から、オリーブオイルやココナッツオイル、脂の乗った魚まで積極的に食べることが推奨されているのです。

脂肪を食べてなぜやせる?

オリーブオイルや魚の脂肪は体に良い作用あることは間違いありませんが、高カロリーな脂肪をたっぷりと摂取することで、なぜやせることができるのでしょうか?

それは、糖質を断つことによりエネルギー源が糖質から脂肪に切り替わり、体が脂質代謝に変化するためだというのがこのダイエット法のメソッドです。脂肪を摂ることで体脂肪が燃焼し体重が落ち、たとえ動物性脂肪であっても、実は体に悪いことはなく健康リスクを高めることはないと説明されています。しかも糖質制限ダイエットとは違い、脂肪を大量に摂取することで空腹を感じずに済むといいます。

高脂肪食ダイエットを続けるなら

脂肪を摂ることで体脂肪が燃焼し体重が落ち、たとえ動物性脂肪であっても、実は体に悪いことはなく健康リスクを高めることはないと説明されています

科学的な根拠が充分ではない上に、現代の栄養学ではこの理論については何とも言えませんが、このダイエット法の提唱者は約30キロのダイエットに成功したとのことです。ただ、それだけ大幅な減量なら、何も高脂肪食にしなくても食事量を適正にするだけで効果がありそうなものです。

短期間だけであればまだしも高脂肪食ダイエットを長期間に渡り続けた場合、体にどのようなリスクがあるのかは自己責任でしかありません。
仮にやせたとしても、循環器疾患などさまざまな病気の可能性を高めてしまっては元も子もありませんよね。もしこのダイエット法を続けたい場合は、病院で定期的に健康状態をチェックするべきです。

摂取すべき脂肪と控えるべき脂肪

脂肪は多すぎず少なすぎず、あくまでも「適量」を摂取すべき栄養素です。
ダイエット中であってもオフすることなく必要量を摂取しなければ、体のさまざまな機能に影響を及ぼします。
脂肪には、細胞膜の形成や、肌や髪を健康に保つ、脳や神経の機能を保つ、ホルモンの材料になる等の役割があり、不足すると血管が弱くなったり、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kなど)の吸収が悪くなったりしてしまいます。また、不足すると肌のツヤや髪のパサつきの原因にもなります

日本人の食事摂取基準では、総エネルギー摂取量に対して20%以上30%未満が脂肪の適正量と定められています。
「脂肪」と一括りにしてもその種類は多く、体にどう影響するかは種類により異なります。摂るべき量もそれぞれ異なり、積極的に摂りたい脂肪・控えたい脂肪があります。

控えるべきは飽和脂肪酸

肉類、バター、乳製品、パーム油など飽和脂肪酸は控えましょう

肉類、バター、乳製品、パーム油に含まれるのが、飽和脂肪酸と呼ばれる種類の脂肪です。常温では固体であることが多く、酸化しにくいという特徴があります。
摂り過ぎると悪玉コレステロールが増え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病に繋がります。

飽和脂肪酸の中でも、体内での消化吸収・代謝が速く、体に脂肪が付きにくい種類があり、ココナッツオイル(パーム油とは別の種類)に代表される「中鎖脂肪酸」というものです。
善玉コレステロールの働きを助け、悪玉コレステロールを減少させる働きがあり、中性脂肪の循環がスムーズになり、ダイエットや健康に良いと言われています。

植物性オイルに多い不飽和脂肪酸

オメガ3やオメガ6など不飽和脂肪酸は積極的に摂取しましょう

常温で液体であることが多く、光や空気、熱によって酸化しやすい性質があります。
不飽和脂肪酸は以下の3種類に分けられ、オメガ3と6は体内で作ることができないため、食品から摂る必要のある「必須脂肪酸」です。

●オメガ3(多価飽和脂肪酸)
「DHA」や「EPA」、「α‐リノレン酸」などがこれに分類され、青魚に多く含まれます。
中性脂肪やコレステロール値を抑制、血管をしなやかにして血流を改善、月経前症候群(PMS)の緩和、冠動脈疾患の予防などの効果が認められています。
ほとんどの人が不足しがちな脂肪酸であり、1日1~2g程度の摂取が推奨されています。
毎日魚を食べることが難しければ缶詰でも良いので、ぜひ取り入れましょう。

●オメガ6(多価飽和脂肪酸)
オメガ6の代表的な脂肪酸は「リノール酸」。コーン油、綿実油、ゴマ油などに含まれ、オメガ3と6の摂取比率は1:4が望ましいとされています。
必須脂肪酸ではありますが摂取過多の人がほとんどですので、控えめにするぐらいでちょうど良いのではないでしょうか。生活習慣病やアレルギーを悪化させるリスクがあると考えられています。

●オメガ9(一価飽和脂肪酸)
オメガ3、6が酸化しやすいのに対し、オメガ9はそれらに比べ酸化しにくいという特徴があります。
オレイン酸が代表で、オリーブオイル、キャノーラ油(なたね油)、紅花油(ハイオレイック)などに含まれます。
飽和脂肪酸の代わりに摂ると、悪玉コレステロールを減らすと言われ、動脈硬化の予防に役立ちます。

トランス脂肪酸も控えるべき

パン、ケーキ、揚げ物などに多く含まれるトランス脂肪酸は避けましょう

植物性油脂に水素添加することで生成される「トランス脂肪酸」。高脂肪食ダイエットにおいてもトランス脂肪酸は避けるよう示唆されています。
マーガリン、ショートニングに多く含まれており、それらを原材料に使ったお菓子、パン、ケーキ、揚げ物などに多く含まれています。

体にまったく不要な脂肪酸であり、摂り過ぎると悪玉コレステロールを増加させ、生活習慣病のリスクを高めると、WHO(世界保健機構)による注意勧告があります。多くの国々では含有量の規制や表示の義務付けが行われていますが、日本では現在のところ規制はありません。

トランス脂肪酸は外食や加工食品に多く含まれるので、そうした食品を食べる機会の多い人ほど摂取量は比例します。
市販の食品を購入する際には、自分で原材料名にマーガリンやショートニング、ファットスプレッド、加工油脂などが使用されていないかチェックしてみてください。

参考
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf
農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_eikyou/fat_care.html

今回のまとめ

「〇〇だけダイエット」のような偏った方法は長続きしませんし、やり方次第では健康被害をもたらします。
多くの人がガマンをせずラクにやせたいと願っているかもしれませんが、そのダイエット法で体を壊してしまう可能性もあるのです。
食事内容と量の適正化、そして適度な運動といった王道こそが、スリムと健康を両立できる方法です。
安易な方法に飛びつく前に、一度考えてみてください。

Category : 雑学/健康・ダイエット

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