過激なダイエットは体から「ダイエット臭」が発生
「ダイエット臭」という言葉を耳にしたことがありますか?
自分や身近な人などダイエット中の人からなんだかにおいがする…といった経験がある人もいると思います。それこそがダイエット臭。
これは間違ったダイエットが原因で発生する体臭のことを指すのですが、自分の発するにおいというものは自覚しづらい傾向があるため、ダイエット臭が発生していても気づいていない場合が多いものです。しかし、食事制限によるダイエットの場合は、少なくない割合でダイエット臭が発生している可能性があります。
なぜこのようなにおいが生じるのでしょうか。
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ダイエット臭は段階的に強くなる
ダイエット中に体から発生する特有のにおい、それがダイエット臭です。このにおいは主に脂肪臭、アンモニア臭、ケトン臭が原因であり、特に糖質制限ダイエット(低炭水化物ダイエット)や断食といった栄養バランスを欠いたダイエットによって顕著になります。
ダイエット臭を発生させる一番の原因は、間違ったダイエットによって体内のエネルギーが不完全燃焼を起こしていることにあります。
人間の体は、食べたものをエネルギーとして利用しています。ところが、そのエネルギー源である食べ物の量が減ってしまうと、体は体内に存在する中性脂肪をエネルギーに利用しはじめます。その時に分解される脂肪酸が完全燃焼されずに、汗や皮脂とともに排出され、においの原因となります。これが脂肪臭です。
しかしこの段階はまだダイエット臭レベル1。これがエスカレートしていくのです。ダイエット臭は、食事制限の過程に応じて段階を踏みながらにおいが強くなっていきます。レベル1程度では自分も周囲もそれほど気づかないことが多いです。
次にダイエット臭レベル2のアンモニア臭です。
極端なカロリー制限や断食などにより体がエネルギー不足になると、体は不足分を補うため筋肉を分解してエネルギー化します。この過程でアンモニアなどの副産物が生成され、これが体臭の一因となります 。食事を減らすだけのダイエットを続けると筋肉が落ちるのはこのため。そして基礎代謝は低下しやせにくく太りやすくなってしまいます。
そしてダイエット臭の最高レベル3に達すると、自他共ににおいに気づくほどの甘酸っぱい特徴的なにおいが発生します。このにおいはケトン臭と呼ばれ、血中に増加した脂肪酸が正しく燃焼されずに、ケトン体というにおい物質に合成されることで生じます。ダイエット臭レベル3になると、体全体からツーンとしたダイエット臭を発することになります。
ダイエット臭を出さずにやせるには?
ダイエット臭を発生させずにやせるためには、体の代謝を下げないことが重要です。極端な糖質制限を避け、栄養バランスを整え適度に食べるようにすることで、ケトン体の過剰生成を防ぎます。
有酸素運動を行うこともダイエット臭の予防に効果的です。20分以上の持続的運動が理想ですが、最近はまとめて時間を取らなくてもこまめに動くだけでも効果があることが分かってきました。
また、食べ物ではクエン酸を多く含むお酢や梅、柑橘類を摂ると良いでしょう。ほかに昆布やわかめなどの海藻に含まれるアスパラギン酸などのアミノ酸も代謝を高めます。海藻類に豊富な食物繊維は腸内環境を整えることにも有効であり、善玉菌が増えれば代謝産物の生成を抑え、体臭の原因を減らすことにも繋がります。
十分な水分を摂ることも心がけると良いです。ケトン体やその他の代謝産物を効率よく体外に排出し、ダイエット臭を軽減します。
ダイエット臭がするということは、無理なダイエットをしているという体からの危険信号です。体の代謝がうまくいっていないサインを無視してダイエットを続けると、最終的には自律神経やホルモンバランスが乱れて、疲労感や体調不良など体に異常を来すことがあります。ダイエット方法を見直してバランスの良い食事、運動を心がけましょう。
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NHK https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/my-asa/ken20230706.html
今回のまとめ
ダイエット臭は、主に脂肪がエネルギー源として利用される際に生成されるケトン体が原因で発生します。
この臭いはアセトンを含むため特有の甘酸っぱい臭いがしますが、水分補給やバランスの取れた食事、運動などで軽減することが可能です。
健康的なダイエットを続けながら、これらの対策を取ることで、ダイエット臭を抑えつつ体重管理を行うことができます。
とにかく体重が減りさえすれば良いという考えで無理な食事制限を行うことは、ダイエット臭だけでなく健康を損なってしまいます。
バランス良く適量を食べるようにしましょう。