ダイエット中に選ぶべき麺類はそばorうどん?
食べ物の嗜好として、日本の麺類だと「そばvsうどん」で好みが分かれることがありますよね。
どちらも日本人に馴染み深い麺類であり、ともに基本的には出汁の利いたしょうゆベースのつゆということで比較されがちですが、栄養素やダイエット面において差はあるのでしょうか?
ダイエット中に食べるなら、そばとうどんのどちらを選ぶと良いのかを解説します。
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ダイエット的な観点でそばとうどんを比べてみると?
①原材料
そばはそば粉から作られる麺であり、主に東日本を中心に食べられてきました。そば粉とつなぎの小麦粉の割合によって、十割そば(そば粉100%)、二八そば(そば粉80%、小麦粉20%)などと呼ばれます。全国製麺協同組合連合会では、そば粉30%以上、小麦粉70%以下の割合で混合した原料を用いたものを日本そばと呼んでいます。
うどんは小麦粉から作られ、主に西日本で広く食べられてきました。モチモチとした食感が特徴で、地域により太さや幅には違いがあります。きしめんのように平たいものもうどんの1種に含まれます。
②カロリー
そば 1玉(茹で上がり時 230g)260kcal / 100gあたり113kcal
うどん 1玉(茹で上がり時 230g)218kcal / 100gあたり95kcal
同じ重量で比較した場合、そばのほうが若干カロリーが高めですが、これは含まれる水分量の違いも考慮すべきです。カロリー自体にそれほど大きな差はないので、ダイエット時にそばとうどんのどちらかを選択するなら、カロリーではなく栄養価で決めると良いでしょう。
③栄養素
そばとうどんでは含まれる栄養素が異なります。共通しているのはどちらも糖質量が多い点で、茹でたもの100gでは、そばは26g、うどんは21.6gの糖質が含まれています。
ですが、大きく異なるのがタンパク質と食物繊維の量です。そばにはたんぱく質が小麦の倍近く含まれており、筋肉を維持することやダイエット効率を上げることに役立ちます。またそばには食物繊維も豊富に含まれており、便秘の改善や血糖値の上昇を抑える作用があります。一方、うどんに含まれる食物繊維はそばの半分以下。
そしてそばはビタミンB1やB2が豊富で、これらのビタミンはエネルギー代謝を助けます。加えて、マグネシウムや鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。うどんにはこれらの栄養素はほとんど含まれていません。
これらの栄養素は美容や腸活、ダイエット効率を上げることに効果的です。
④特筆すべき栄養素
上記の栄養素のほか、そばが体にいいと言われる理由のひとつに、そばに含まれる「ルチン」の効果があります。
ルチンはポリフェノールの一種であり、抗酸化作用がありそばの実の外層部分に多く含まれています。
そばを食べ終わったら、残ったつゆに茹で汁を入れて「そば湯」を飲むと、ルチンや上記の栄養を無駄なく摂ることができます。
⑤GI値
GI値とは血糖値の上昇するスピードを食品ごとに数値化したもので、数値が100に近いほど血糖値が上がるスピードが速く、太りやすいという指標です。
そばのGI値は59、うどんは80と大きな差があり、そばのほうが太りにくいといえます。
その他の主食のGI値は以下です。
フランスパン 93/食パン 91/白米 84/パスタ 65
他の主食に比べてもそばはGI値が低く、穀類では太りにくい部類と言えます。
そばやうどんをヘルシーに食べるコツ
ダイエット中に食べるなら、うどんよりそばの方が食物繊維、タンパク質、ビタミン・ミネラルといった栄養素を多く含み、GI値が低く腹持ちが良く太りにくいといえます。
このようにダイエットや健康面ではそばのほうが優れていますが、消化が良く胃腸に負担が少ないのがうどんの利点です。風邪など体調の良くない時、運動前やエネルギーを素早く補いたいとき、離乳食や小さい子どもにも、そばよりもうどんのほうが良いでしょう。
どちらもよりヘルシーに食べるためには、トッピングや小鉢を添えることです。どちらも天ぷらが定番のトッピングですが、脂肪と糖質が多いのでなるべく揚げ物以外を選びましょう。食物繊維とタンパク質を摂取できるものがおすすめです。わかめ、山菜、大根おろし、きのこ、卵、ごまなどや、納豆やキムチも意外と合います。そして、よく噛んでゆっくり食べることも大切です。
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食品成分データベース(農林水産省)https://fooddb.mext.go.jp/
全麺連 https://zenmenren.or.jp/
今回のまとめ
ダイエット的な観点からは、うどんよりもそばがおすすめです。
また、腸内環境を良くしたい、生活習慣病が気になる、抗酸化作用を期待するならルチンの多いそば、胃腸の負担が少ない消化の良いものが食べたいならうどん、といったようにその時のコンディションや目的で選ぶと良いでしょう。
そばやうどんに限らず、カロリーだけで食品を比較するのではなく、タンパク質や食物繊維、ビタミン・ミネラルなどといった栄養素がどの程度含まれているかを、食べ物のセレクトの基準にしましょう。