モーニングルーティンで「冬バテ」を防ぐ 温活リズム術

気温が下がり始めると、なんとなく体がだるい、朝がつらい、どうも気分が乗らない、と感じることはありませんか?風邪ではないのになんとなく不調を感じたら、その正体はもしかすると「冬バテ」かもしれません。
冬バテは、寒さと低代謝による心身のエネルギー低下です。寒さで体温が下がり、血流や代謝が落ちることで、全身がスローモードになってしまうのです。
今回は、冬バテを防ぎ、毎日を軽やかに過ごすための「温活リズム術」をご紹介します。
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冬バテのサイン、出ていませんか?

体が冷えモードに傾いているサインかもしれません。
冬バテの主な原因は、寒暖差・運動不足・血行不良・ストレスによる自律神経の乱れ。特に以下のような症状が続く場合は、体が冷えモードに傾いているサインかもしれません。
⚫︎朝なかなか起きられない
⚫︎肩こりや頭痛が増えた
⚫︎手足の冷えがつらい
⚫︎食欲が不安定(甘いものが増える)
⚫︎なんとなく気分が落ち込む
こうした症状は、冷えによるエネルギー不足が背景にあります。体温が1℃下がると、基礎代謝が12~13%低下するといわれるように、冷えは代謝にも直結。放っておくと、体重増加や免疫低下にもつながります。
朝の体温が1日の元気を決める

冬は外気温の低下により体表面が冷えやすく、起床後に体温がなかなか上がらないと感じる人が多いようです。
人の体温は、実は1日を通してゆるやかに変化しています。朝に最も低く、日中に上がり、夜に再び下がるというリズムをつくっているのが、自律神経と体内時計(概日リズム)の連携です。
この生理的な体温変化は季節を問わず起こりますが、冬は外気温の低下により体表面が冷えやすく、起床後に体温がなかなか上がらないと感じる人が多いようです。実際、いくつかの研究では、冬季の平均体温が夏季に比べてわずかに低い(およそ0.1~0.2℃程度)傾向が報告されています。
体温が低いままだと、代謝活動や自律神経の働きが十分に活発にならず、やる気や集中に関わるノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質の分泌リズムにも影響する可能性があります。そのため、寒い朝は頭がぼんやりしたり、体が動き出すまで時間がかかったりするのです。
また、体温が低い時間帯ほど注意力や判断力が下がる傾向があると示す研究もあります。
つまり、「朝に体を温め、体温リズムをスムーズに整えること」は、気持ちよく1日のスタートを切るための大切な準備といえるでしょう。
朝の温活ルーティンで代謝をスイッチオン!

40~55℃程度の白湯をゆっくり飲むのがおすすめ。
冬バテ対策の基本は、朝の体温を自然に上げること。難しいことをしなくても、生活の中に少しの温め習慣を取り入れるだけで、1日のエネルギーが変わります。
1. 起きたらまず「光+深呼吸」で体内時計をリセット
カーテンを開けて朝日を浴びると、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)が刺激され、体内時計がリセットされます。この神経核は、網膜から入る光の情報を元に、睡眠や覚醒、ホルモン分泌など約24時間の生体リズムを調整するなど、体内時計の中枢を担っています。すると、睡眠ホルモン・メラトニンの分泌が止まり、活動ホルモン・コルチゾールが上昇。
ここで深呼吸を加えると、副交感神経から交感神経への切り替えがスムーズになり、体が「動くモード」に入ります。数分の光+呼吸で、体温を自然に上昇させましょう。
2. 白湯や温かいお茶で内側から温める
寝起きは体温も血流も低い状態です。ここで冷たい水を一気に飲むと胃腸に負担をかけてしまうため、40~55℃程度の白湯をゆっくり飲むのがおすすめ。温かい緑茶やショウガ紅茶なども良い選択です。コップ1杯以上飲みましょう。体が内側から温まり血流が良くなり、体内の代謝が活性化され消化器官の働きもサポートされます。また、腸を刺激してぜん動運動を促し便通を良くする作用もあり腸活にも効果的。

首、肩、背中、体側、足首などを優しく伸ばすことで筋肉を目覚めさせ、全身に血液と酸素を行き渡らせることができます。
3. 朝の温めストレッチで血流を促進
布団から出る前に、足首を回したり、両手を頭上で伸ばしたりするだけでもOK。そして深呼吸をし、布団から出たら続いて軽いストレッチを行いましょう。首、肩、背中、体側、足首などを優しく伸ばすことで筋肉を目覚めさせ、全身に血液と酸素を行き渡らせることができます。これは代謝を促進し、一日のエネルギー消費を増やすのに効果が期待できます。
4. 朝食は体を温める栄養素を意識
朝食には、タンパク質とビタミンB群をしっかり摂るのがポイント。これらは体内で熱を生み出すための、言わば代謝のガソリンです。
理想的なの、温かい具沢山の味噌汁+卵+納豆+ご飯のような和朝食。しょうがやネギ、根菜を加えるとさらに温活効果がアップします。無理に完璧を目指さず、週の半分でも続けることを目標にしてみてください。
冬の午後~夜に意識したい、冷えないリズム

入浴後に上がった体温が下がる過程で眠気が訪れます。これが自然な入眠リズムをつくり、質の良い睡眠を促します。
朝だけでなく、1日のリズム全体で冷やさない工夫をすることも大切です。
⚫︎午後:軽い運動やストレッチで血流キープ
デスクワーク中心の人は、午後は5~10分のウォーキングを1度は取り入れると良いです。脚全体を動かすことで、血流が促進され筋肉が熱を作ります。デスクワークでむくんだ脚の解消にも効果的です。
また、温かいハーブティーで一息つくのもおすすめ。リラックスしながらも代謝を下げにくくします。
⚫︎夜:入浴で深部体温を上げて眠りを誘導
38~40℃のぬるめの湯に10~15分浸かると、体の中心がじんわり温まり、血管が拡張。入浴後に上がった体温が下がる過程で眠気が訪れます。これが自然な入眠リズムをつくり、質の良い睡眠を促します。夜のバスタイムは、まさにリセット温活です。
関連記事
日本生理人類学会誌 Vol.24 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/24/1/24_1/_pdf
NIH https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK19956/#:~:text=Sleep%20and%20Thermoregulation,waking%20(Szymusiak%2C%202005).
全国健康保険協会 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h30/2018042602/
今回のまとめ
冷えない1日は朝の1分から始めることができます。冬バテを防ぐには、朝の体温リズムを整えること。
・朝日を浴びる
・軽く体を動かす
・白湯を飲む
・温かい朝食を取る
これらをセットで習慣化するだけで、体温・代謝・気分が少しずつ上向くでしょう。
温活とは単に体を温めることを目的とするのではなく、体が本来持っている機能を整えることがゴール。
その第一歩が、1日の始まりを整える朝の温活ルーティンです。
冬バテしないエネルギーを作り、冬を健やかに過ごしましょう。

































