きゅうりに含まれる注目の酵素による美容やダイエット効果
「栄養がほとんどない」「ギネスで世界一栄養価の低い野菜と認定されている」などと言われ、その価値が侮られている野菜がきゅうりです。これは実は誤解で、ギネス世界記録では「Least calorific fruit(最もカロリーの低い果物)」という記録名だそう。カロリーが低いのと栄養価が低いのとではまったく意味合いが違いますよね。
そんな低カロリーなきゅうりには、美容やダイエット効果のある成分が含まれています。どのようなものなのかを解説します。
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きゅうりのダイエット・美容効果
みずみずしくさわやかな風味で、暑い日や食欲のないときでも食べやすく、しかも1本約100gでたったの13kcalと低カロリーなきゅうり。カロリーが非常に低いうえに食べごたえもあるので、ダイエット食材として優秀です。
95%が水分なので、他の野菜と比較すると確かに栄養価は高くはありません。水分量がとても多いため他の野菜に比べると100gあたりの栄養価は低いものの、暑い時期の水分補給にも適していますし、美容やダイエットに有効な成分が含まれています。
きゅうりには脂肪分解に関わる「ホスホリパーゼ」という酵素が含まれる他、ビタミンKやC、各種ミネラルなどさまざまな栄養素があります。含有量が多いものを中心に解説します。
●ホスホリパーゼ
ダイエット効果があるという注目の成分「ホスホリパーゼ」がきゅうりには含まれています。ホスホリパーゼは脂肪の代謝を促進するといわれている酵素で、コレステロールの抑制やデトックス効果などがあるといわれています。ホスホリパーゼはキャベツなどほかの野菜にも含まれているのですが、きゅうりのホスホリパーゼはほかの野菜に含まれるものよりも脂肪を分解する力が強いことが研究によって明らかになっているそうです。
酵素は熱に弱いため、生食することで効率的に摂取することができます。
●ビタミンK
きゅうりには100gあたりビタミンKが34μgが含まれています。ビタミンKの成人の1日の摂取の目安量は男女ともに150μgに設定されており、きゅうり1本で成人の1日の摂取目安量の約23%の量を摂ることができます。ビタミンKは多量に摂取しても健康被害が見られないことから、上限量は設定されていません。ビタミンKの作用には、血液を凝固させる(止血)作用、カルシウムを骨に定着させる作用による骨粗鬆症の予防などがあります。
●ビタミンC
ビタミンCは、きゅうり1本から成人の1日の摂取推奨量の14%を摂ることができます。
ビタミンCの作用は、よく知られている美白や風邪予防以外にも多岐に渡ります。体の錆びつきを防ぎ老化を予防する抗酸化作用、細胞どうしをつなぐコラーゲンを生成し美肌や骨の強化、細菌やウイルスと戦う細胞を活性化し風邪以外の感染症も予防する作用、生活習慣病の予防、抗ストレス、ホルモンの生成に関わるなど、人の健康のあらゆる分野に必要な栄養素なのです。
●カリウム
ミネラルの1種であるカリウムは、体内のナトリウム(塩分)バランスを調整し余計なナトリウムを体外へ排出、筋肉の収縮、血圧の上昇を防ぐサポートをする作用などがあります。むくみ予防や解消に効果的です。
●βカロテン
Βカロテンは体内に入ると、必要量がビタミンAに変換されます。体内のビタミンAが少ない時には変換され、十分量があれば体外に排出されます。皮膚や粘膜の健康を維持する作用や、光刺激反応に重要な役割をし視力を保つ作用などがあります。ビタミンAとしての機能以外では、βカロテンは抗酸化作用があることが報告されています。
きゅうりダイエットの方法
きゅうりダイエットは、きゅうりを食事に取り入れて健康的な食事プランを実践する方法です。きゅうりだけを食べる単品ダイエットではなく、あくまでも栄養バランスの取れた食事を心掛けます。野菜やタンパク質、脂質、炭水化物など、必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。過度な制限や食事の偏りを避け、バランスの良い食生活を心掛けましょう。
●きゅうりメニューを毎食取り入れる
きゅうりを使ったメニューを食事に取り入れます。酵素の働きを失活させないためには生食がおすすめです。例えばサラダ、塩もみ、たたききゅうり、浅漬け、和え物、スムージーなど、1日あたり1〜2本分のきゅうりを取り入れるようにします。食事の最初に食べるようにするとダイエット効果が高まります。
●間食にきゅうりを食べる
きゅうりには水分が多く含まれているため、満腹感が得られ間食としても適しています。お菓子や高カロリーなスナック菓子などの代わりに、きゅうりを食べることで空腹感を和らげることができます。きゅうりはとても低カロリーであり、ダイエット中に過剰なカロリー摂取を防ぐのに役立ちます。口さみしくてついお菓子に手が伸びそうになったときなどに代わりにきゅうりを食べてみましょう。
●適度な運動を取り入れる
ダイエット効果を高めるために、適度な運動を行うことをおすすめします。有酸素運動や筋力トレーニングなど、体に合った運動を取り入れると良いでしょう。
きゅうりダイエットは一時的な単品ダイエットとして実践するのではなく、長期的に続けられるように食生活に組み込むことが大切です。「食事はきゅうりだけ」といったような極端な方法はまったくおすすめできません。ダイエットを成功させるためには、栄養バランス、運動、食事制限などを適切に組み合わせることが必要です。
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農林水産省 https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_01110.html
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html
Guinness World Records https://www.guinnessworldrecords.jp/news/2016/1/cucumber-414662
健康長寿ネット https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-k.html
今回のまとめ
きゅうりダイエットで効果が出ないパターンとしては、他に高カロリーのものや甘いお菓子、油の多い食事が多いということが考えられます。
栄養バランスが悪かったり高カロリーだったりする食生活では、きゅうりを食べていても意味がありません。バランスの良い食生活を心がけることは必要です。