非常食のサバ缶・イワシ缶が、やせホルモンを放出させる!

サバ缶・イワシ缶の売上が急増
日常使いから非常食としてまで、いつでも使うことのできる缶詰。常温でも長期保存が可能なので、自宅にストックしておけば安心、「備えあれば憂いなし」ですよね。
そんな缶詰ですが、よく使う缶詰の筆頭と言えば以前はツナ缶でした。ですが今、日本で最も多く生産されている水産缶詰食品は、ツナ缶ではなく「サバ缶」だそうです。なぜツナではなくサバなのか。その理由は、ツナ缶の原材料となっているマグロやカツオの水揚げ量の減少や価格の高騰も関係している一方で、サバは供給が安定していて安価であるということが挙げられます。
もう一つ重要な理由があります。サバ缶にはダイエット効果があるとメディアで取り上げられたことです。
そしてサバ缶と同様にダイエット効果があると注目され、近年売り上げが急上昇しているのがイワシ缶です。サバ缶・イワシ缶に共通するダイエット効果とは?
【contents】
- サバ缶・イワシ缶の売上が急増
- オメガ3脂肪酸の含有量が高いサバ缶・イワシ缶
- やせホルモン「GLP-1」が糖質太りを抑える?
- やせ体質=オメガ3脂肪酸を多く摂っている人?
- なぜ生の魚よりも缶詰が良い?
- カルシウムはダイエットにも影響
- サバ缶・イワシ缶以外でGLP-1を増やすには?
オメガ3脂肪酸の含有量が高いサバ缶・イワシ缶
「魚の脂は体にいい脂」とよく言われますが、この脂とは多価不飽和脂肪酸である「オメガ3脂肪酸」に分類されるDHAとEPAのこと。
青魚、えごま油、アマニ油、最近注目のスーパーフードであるチアシードなどに含まれます。特に青魚に多く含まれ、その中でもサバとイワシはトップクラスの含有量です。
DHA・EPAには、中性脂肪やコレステロール値を抑制、血管をしなやかにして血流を改善、月経前症候群(PMS)の緩和、冠動脈疾患の予防などの効果があることが認められています。
ほとんどの人が不足しがちな脂肪酸であり、1日1~2g程度の摂取が推奨されています。青魚100gでオメガ3脂肪酸の1日の必要量が満たされるといわれており、毎日食べるのが難しければ、週の半分の夕食は魚をメインにしたおかずにすることを意識してみてください。
やせホルモン「GLP-1」が糖質太りを抑える?

DHA・EPAには、中性脂肪やコレステロール値を抑制、血管をしなやかにして血流を改善、月経前症候群(PMS)の緩和、冠動脈疾患の予防などの効果があることが認められています
オメガ3脂肪酸のDHA・EPAが「GLP-1」というホルモンの分泌を促進させるという研究があります。GLP-1は消化管ホルモンで、小腸に入ってきた糖質に反応し満腹感をもたらしてくれる存在です。GLP-1の作用はそれだけでなく、食欲抑制効果や、糖質が腸で緩やかに吸収される働きを持ち、血糖値の上昇を抑える作用があるのです。糖質に対するこれらの作用によって、糖質太りのダイエット効果があると考えられています。
やせ体質=オメガ3脂肪酸を多く摂っている人?
GLP-1の分泌量が多い人、オメガ3脂肪酸の摂取量が多い人ほどやせやすい体質だと言われています。日本人は欧米人よりもスリムな人が多く肥満率が低いですが、それはオメガ3脂肪酸が多く含まれる魚をよく食べていることが一因であるという説もあるほどです。
なぜ生の魚よりも缶詰が良い?
生のサバやイワシよりも、なぜ缶詰のほうがダイエット向きなのでしょうか?
サバ缶やイワシ缶の製造は、生の魚と調味料を缶詰に入れふたをしてから加熱するため、オメガ3脂肪酸のほかビタミン・ミネラルなどの栄養素を余すことなく缶詰の中に閉じ込めることができます。
また、缶詰の魚は骨も食べられるほどに柔らかく加工されているので、生を調理して食べるよりも多くのカルシウムを摂取することができます。100gあたりのカルシウム量で比較すると、サバの場合生では6mg、サバ缶になると210mgと35倍もの差があります。もちろんイワシも同様の差があります。
栄養素を丸ごと閉じ込める缶詰だからこそ、ダイエットに必要な栄養素を効率的に摂取することができるのです。
カルシウムはダイエットにも影響
カルシウムは骨を作る元になるだけでなく、実はダイエットにも影響を及ぼします。
血中のカルシウム濃度を一定に保つために、骨や脂肪に貯蔵されたカルシウムが溶かし出されて利用されます。溶かし出されたカルシウムは血中に入るのですが、血中カルシウム濃度が高くなると、脂肪細胞では脂肪酸合成酵素が多く作られるようになり、中性脂肪が増えます。
このようにカルシウムは脂肪の代謝にも関わっており、体内に十分なカルシウムがあると脂肪の合成が抑えられ、分解が促進されることが分かっています。
缶詰なら、DHA、EPAなどの体に良い脂であるオメガ3脂肪酸、カルシウムを安価に手軽に摂ることが可能です。
サバ缶・イワシ缶以外でGLP-1を増やすには?

缶詰の魚は骨も食べられるほどに柔らかく加工されているので、生を調理して食べるよりも多くのカルシウムを摂取することができます。
必ずしもサバ缶・イワシ缶でなくても、GLP-1を増やすことができます。
小腸の下の方(大腸に近い部分)にはGLP-1を分泌する細胞が多く存在しており、その部分まで届く成分を摂取することでGLP-1を増やすことができます。
その成分とはオメガ3脂肪酸の他、食物繊維を多く含む糖質です。これらがGLP-1を増やす手助けをするのに有効だとされています。
白米や精製された小麦粉から作られる白いパンは、食物繊維が少ないため消化されるスピードが早く、小腸の下部に届く前に上部で吸収されてしまいます。
糖質を小腸の下部まで届けるためには、食物繊維を多く含む玄米、大麦、雑穀、ライ麦、全粒粉などの糖質を食べることです。
これら食物繊維の豊富な糖質を主食に、オメガ3脂肪酸たっぷりのサバやイワシをおかずに食べれば、やせホルモンGLP-1分泌に効くダイエット食になると言えるでしょう。
参考サイト
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf
e-ヘルスネット(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-031.html
文部科学省 https://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/20/1365491_3-0210-1r11.pdf
Jオイルミルズ https://www.j-oil.com/oil/type/fa/
今回のまとめ
サバ缶・イワシ缶は「備えあれば憂いなし」の非常食としてだけでなく、やせホルモンを出すにも有効な食品だったとは驚きですよね。
もちろん缶詰でなくても青魚やサケならオメガ3脂肪酸が豊富に含まれていますので、日々の食事にコンスタントに取り入れましょう。