下腹ぽっこりの原因は「内臓下垂」その解決方法とは?
なぜか下腹だけがぽっこり!
ダイエットは順調なのにどうしても下腹だけがへこまない…。
手足の細さに対して明らかに下腹が出ている...。
など、下腹ぽっこり問題は特に女性にはあるあるです。この現象が起こる原因としては、内臓が下垂している可能性が高いです。
下腹ぽっこりからフラットなお腹になるには、3つのアプローチによって解消することができます。
【contents】
内臓が下垂する理由
お腹全体が出ているいわゆる「メタボ体型」は内臓脂肪が原因ですが、下腹だけがぽっこり出てしまうのは、内臓脂肪や食べ過ぎなどのせいではありません。内臓が正しい位置から下がってしまう「内臓下垂」が大きな原因となっていることがほとんどなのです。
内臓下垂になる理由は主に、①姿勢が悪いこと、②呼吸が浅いこと、③骨盤底筋が弱いため、この3つです。
そしてこれらの状態になるのは、筋肉の使い方に悪い癖がついているためです。
・反り腰(腰が正しい位置よりも反っている)
・猫背で腹筋や背筋が使われていない
・立っている時は片側に体重がかかっている
・座る時は脚を組む、背もたれにもたれる
こうした崩れた姿勢になっている場合、筋肉が正しく使えていません。
すると内臓を支えている骨盤は前に傾き、同じく内臓を支える骨盤底筋群は弱くなり、呼吸は浅くなって横隔膜の上下運動が弱くなります。これらによって内臓の位置が下がってしまうのです。
内臓下垂を正しい位置に戻すには?
内臓下垂は下腹がぽっこりしてボディラインに影響するだけでなく、胃腸が圧迫され腸内環境の悪化や、自律神経のバランスの乱れ、便秘、血流の悪化、冷え性、疲労感など、全身のコンディションにも大きく関わっています。
自力で正しい位置に戻すためのアプローチは3つで、姿勢、呼吸、骨盤底筋を改善すること。方法をご紹介します。
【4】姿勢
正しい姿勢を保つことを心掛けると、インナーマッスルが自然と鍛えられます。無意識でも良い姿勢を保てるようになれることを目標にしましょう。
●立ち方
多くの人が「反り腰」「猫背」「巻き肩」に該当します。
反り腰はその名の通り、腰が反り過ぎた状態のこと。骨盤が前に倒れて、お尻とお腹の力が抜けた状態です。腰痛の原因にもなります。
反り腰から骨盤を起こすためには、立ち姿勢の時につま先を内側に向けず、やや外側に向けます。これだけでも腰の反りは改善されますし、お尻にキュッと力を入れるとさらに効果的。
巻き肩の特徴は、肩甲骨の間が広がって肩関節が内側に入っていること。一方猫背は、背中が丸まってあごが前に出ている状態です。このどちらも立ち方のポイントは同じで、背中よりも首と頭の位置を意識します。首ごと頭を後ろに引くことで、胸が開き肩の位置が後ろへ下がり、自然と腹筋が引き締まるのを感じられると思います。
●座り方
基本の座り方は、深く椅子に腰掛けずに真ん中あたりに骨盤を立てて座る「坐骨座り」をします。その時に背もたれに寄りかからないようにしましょう。
坐骨は骨盤の下にあり、座ったときに椅子の座面に触れる部分です。坐骨が椅子の座面に直接当たるように座ることで自然と背筋が伸び、理想的な姿勢が保たれます。
PCやスマホの画面を眺めていると猫背や巻き肩になりやすいです。見た目が悪いだけでなく腹筋や背筋を使わない姿勢のため、下腹ぽっこりに繋がります。
あごを軽く引き、頭は上からまっすぐに引っ張られているようなイメージで、頭頂部から腰までを一直線にするつもりで座ります。
また、つい脚を組んでしまう癖がある人は、意識的に改善していきましょう。足を組んで座ると、背骨をまっすぐに保つことができず、股関節や骨盤周りの筋肉に左右で歪みが生じ内臓下垂になるほか、血流悪化、O脚・X脚の原因になる等、多くのデメリットがあります。
床に座るなら、あぐらはもってのほかです。正座をし、かかとどうしがくっつくように寄せ、その上に座骨を乗せるようにします。
【2】呼吸
呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸があり、多くの人は胸式呼吸となっています。胸式呼吸で浅い呼吸をしていると、横隔膜を動かすことはできません。
意識をして横隔膜を使った深い呼吸(腹式呼吸)を行うようにします。腹式呼吸を行うと横隔膜は上下運動をすることになり、内臓が収まっている部分の圧力が変わり、内臓がマッサージされるような状態になります。横隔膜が上がると、お腹の中の圧力が下がって内臓が引き上げられます。
腹式呼吸は意識的に行わないと最初は難しいので、トレーニングで身につけましょう。
お腹に手を当て、これ以上吐けないというところまで息を吐き切りお腹をへこませます。そしてゆっくり息を吸うとお腹が膨らむはずです。これを5回ほど繰り返すことを日課にしましょう。
【3】骨盤底筋群を鍛える
骨盤底筋群は胴体の一番底にあり、ハンモックのように内臓を支えています。
骨盤底筋群が弱いと内臓を支えられず下垂するだけでなく、正しい姿勢を保ちにくくなり横隔膜の運動も小さくなります。また尿道や膀胱の筋肉も支えているので、この筋肉が弱まると尿もれが起こります。
骨盤底筋群の筋力をアップさせるためには、以下のトレーニングが有効です。毎日行い、1日5セットを目標にしましょう。1日のうちで何度かに分けてトータルで5セットになればOKです。トレーニングの効果が表れるのは2,3ヵ月後ですので、根気よく続けましょう。
①仰向けになり、背骨を床にぴったりとつけて膝を立てます。両膝はこぶしひとつ分の間を開け、手のひらは床につけます。
②尿を途中で止めるような要領で骨盤底筋群を締め、息を吸いながら肛門を胃のほうへ寄せるように力を入れます。この状態で10秒キープし、その後30秒ほど力を抜きます。これを10回繰り返します。
③次に、②の動作をもっと早いテンポで行い、締める・緩めるの運動を1セットとして10回繰り返します。
①~③を5セット行います。
参考
東京女子医科大学 https://twmu-mce.jp/mce/prsurgery/
今回のまとめ
自分の体型を作っているのは、食べているものと日頃の習慣によるもの。
体型の崩れや生活習慣病はある日突然やってくるものではなく、毎日の積み重ねです。
内臓下垂の改善は、自宅で自力で行うことができ、費用もかかりません。
意識して改善しましょう!