体を整えダイエットにも効果的な「お粥ダイエット」の方法
お粥を日常食にすれば体が整う
日本ではお粥といったら、体調が悪い時や食欲がない時に食べるものというイメージがありますが、台湾や中国ではごく日常的に食べられているものです。
薬膳の考え方ではお粥は「十徳」と言われ、肌ツヤを良くする、胃に優しく体が安定するなどの効果・効能があるとされています。
この考えの通り、薬膳の本場である台湾や香港では、お粥は1日のエネルギーをチャージする朝食の定番として親しまれています。
体に優しいお粥は、ダイエットにも利用できる優れたメニューです。体の調子を整えながらダイエットができる、お粥ダイエットの方法をご紹介します。
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お粥で糖質オフ
お粥ダイエットでは、主食をお粥に替えて行います。
糖質であるお米から作られるお粥でどうしてやせることができるのかということですが、大きな理由としては、水分が多いのでかさ増しになり満腹感を得やすいこと。
水分量が多いので一度に食べるお米の量自体が減るため糖質オフにもなり、また胃腸に負担が少ない点もダイエットに効果的と言えます。
お粥は通常のご飯と同量で比べると、カロリーや糖質量が減らせるのが利点です。
100gあたりのカロリーと糖質量を比較してみましょう。
通常のご飯(白米) 156キロカロリー 糖質 38.1g
お粥(全粥) 65キロカロリー 糖質 16.2g
ご飯とお粥では100gあたり約90kcalの差、そしてお粥の糖質は通常のご飯の半分以下です。つまり同じ量を食べるのであれば、ご飯をお粥に変えるだけでカロリーオフ・糖質オフすることができるということになります。
カロリーや糖質をオフできるだけでなく、ダイエットにおいて重要である、体を温めて血流を良くし代謝を上げる効果もあります。粘性があり食べ終わるまで温かいのも優れた点です。
糖質オフは筋肉量の低下に
糖質は体にとってはメインのエネルギー源となる栄養素です。
糖質と炭水化物はイコールではなく、炭水化物は糖質と食物繊維が一つになったもの。一方、糖質は糖のみで構成されています。ご飯やパン、麺類などの炭水化物を食べると、体内で糖質と食物繊維に分解され、それぞれの役割を担います。脳のエネルギー源として利用可能なのは糖質のみで、タンパク質や脂肪のエネルギーは脳の関門を通過することができません。
炭水化物は食べてからエネルギーに変わるのが早く、タンパク質や脂肪よりも優先的に消費されます。摂取量が消費エネルギーよりも多いと体脂肪となって蓄積されてしまうため、炭水化物抜きダイエット(糖質制限ダイエット)を取り入れる人も多いですが、不足すると疲労感や倦怠感、便秘、腸内環境の悪化などのトラブルが頻発します。
また、糖質が不足すると体は筋肉を分解しエネルギーに換えるため、筋肉量が低下します。筋トレをしても筋肉が付かない人はこれが原因の場合があるので、糖質量を意識してみてください。
体には適量の糖質が必要ですが、ダイエットが必要な人は摂りすぎの傾向があります。
糖質量を制限すると、疲れやすかったり物足りなかったりで難しいという人こそ、お粥ダイエットが適しています。満腹感を得ながら適量の糖質量をキープできるので、体調不良や空腹に悩まされることも少ないです。
お粥ダイエットの方法とポイント
基本の食べ方
●朝食
メインをお粥にします。栄養バランスを整えるためには、卵がゆにするのがおすすめ。朝食にもぴったりです。量は茶碗1膳〜1.5膳まで可。野菜の副菜やフルーツを添えます。
●昼食
お粥ではなく、好きなものを食べてもOK。
もちろんダイエットの観点からは、揚げ物、カレーやラーメン、丼ものなどの糖質メインのメニューは避け、一汁一菜を意識した定食スタイルでバランス良く食べましょう。
●夕食
主食を普段のご飯からお粥に替えます。量はいつも使っている茶碗1膳分にし、メインのおかずは低脂肪の肉や魚でタンパク質を補いましょう。副菜には野菜やきのこを使った料理やサラダ、汁物も付けるようにします。
ポイント1 お粥ダイエットは全粥で
全粥とは米1に対して水5の割合で作るお粥のことです。全粥は米粒の形が残っているので歯ごたえも感じられますし、腹持ちの良さでも全粥が良いでしょう。
体調不良の時に食べるお粥は消化の良い白米が適していますが、ダイエット用であれば玄米や雑穀米もおすすめです。
ポイント2 よく噛む
お粥は水分量が多くサラサラと食べられますが、よく噛んで味わうようにしましょう。よく咀嚼をすることで脳の満腹中枢が刺激され、必要以上に食べたい気持ちが抑えられます。
ポイント3 おかずには栄養バランスの良いものを
栄養バランスを整えるには、お粥1品だけではもちろん足りません。体調の悪い時に食べるお粥であればそれでも良いですが、ダイエット目的の場合はタンパク質や野菜もプラスします。
お粥ダイエットの注意点
最も気をつけるべきはやはり量です。普通のご飯よりも食べやすいので、ついおかわりしたくなるかもしれませんが、特に夕食にお粥を食べる場合は茶碗1膳を必ず守るようにしてください。夜は活動量が少なくなる上に、体内時計の仕組みで太りやすい時間帯です。
【全粥の作り方】
①米を研ぎ、米の5倍の水を鍋に入れる ②強火で煮立たせ、沸騰したらふたを少しずらして弱火にし、30分程度煮る ③塩をひとつまみ入れ、鍋の底からゆっくりとかき混ぜる
●炊いたご飯から作る場合はご飯1:水4の割合にして、鍋で強火で煮立たせてから弱火にし、10分ほど煮ます。
●お粥は冷凍庫で保存できます。多めに作って1食分ずつラップに包むかタッパーに移して冷凍庫に入れておけば、いつでも手軽に食べられます。解凍は普通のご飯のようにレンジでOK。
●お好みでアレンジすると飽きが来ません。
和風アレンジ → 和風だし、白だし、卵、しらす、ねぎ、しょうがなど
洋風アレンジ → コンソメ、トマトジュース、粉チーズ、オリーブオイルなど
中華アレンジ → 鶏ガラスープ、しょうが、ねぎ、揚げたワンタンの皮、ごま油など
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米穀機構 米ネット https://www.komenet.jp/pdf/kayu.pdf
厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083872.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
農林水産省https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h21_h/trend/part1/chap2/c2_04.html
今回のまとめ
お粥は薬膳だけでなく禅の世界でも10の効能があるとされています。
体調の悪い時だけではもったいないほどお粥は体に良いものですので、まずは朝食から取り入れてみてはいかがでしょうか。