体脂肪が落ちないのは冷えのせいかも?

運動も食事制限も頑張っているのに、なぜか体脂肪が減らない…。このようにやるべきことをやっていても、ダイエットがうまくいかないという悩みを抱えている人は少なくありません。特に年齢を重ねると、加齢による基礎代謝の低下に加え、ホルモンバランスの変化や生活習慣の影響も受けやすいです。中でも見落とされがちなのが、冷えによる代謝ダウンです。
この記事では、体脂肪が落ちにくくなる原因のひとつである「冷え」に注目し、代謝が落ちる生活習慣やその対策を解説します。
【contents】
代謝を落とす冷える習慣をチェック

体温が一定に保てなくなると、脂肪燃焼効率も下がります。
無意識のうちに体を冷やす生活をしていませんか?以下のチェックリストで確認してみましょう。
□ 冷たいものを好む
冷たい食べ物や飲み物を口にすると、体の内側から冷やすことになります。内臓の働きが弱まり、消化・吸収・代謝もスムーズに進まなくなります。
□ 冷房が効いた室内にいる時間が長い
オフィスなど室内で一日中冷房にあたっていると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、体温調節機能が低下します。体温が一定に保てなくなると、脂肪燃焼効率も下がります。
□ シャワーだけで済ませる
湯船に浸かる習慣がない人は、深部体温が上がりにくく、血流やリンパの流れが滞りがちに。体温が上がらないまま眠ると、睡眠の質も下がってしまいます。
□ 冷たい食品が中心の食生活
サラダやフルーツ、ヨーグルトなど「冷たい健康食」が実は冷えの原因になることも。温野菜や常温の発酵食品を上手に取り入れることが重要です。
□ 運動をする習慣がない
運動は血流を上げて体を温め、筋肉が付くことで平熱を高く維持することにも役立ちます。
冷えと代謝の意外な関係

基礎代謝は内臓や脳、血液循環など、体を維持するために自動的に使われるエネルギーです。
人間の体は、体温が1℃下がると基礎代謝が約12%落ちるとされています。つまり、普段の生活で冷えていると、それだけで脂肪が燃えにくくなるということ。
体温を維持することと基礎代謝には密接な関係があり、体温を高く保とうとすると体はそれだけエネルギーを作り出す必要があります。
体温が高ければ基礎代謝は高くなり、その反対に体が冷えていれば基礎代謝はそれに伴い低くなります。
基礎代謝は内臓や脳、血液循環など、体を維持するために自動的に使われるエネルギーです。運動をしなくてもエネルギーが消費されるので、基礎代謝が高いほどやせやすいのです。
特に女性は男性よりも筋肉量が少なく、熱を生み出す力が弱いため、冷えやすい体質の人が多い傾向にあります。また、筋肉が少ないと血流が滞りやすくなり、老廃物や余分な水分が排出されず、むくみやすくなるという悪循環になってしまうこともあります。
冷えの原因は、食事、筋力、自律神経の乱れなどがありますが、これらを改善することで平熱を上げることができます。
冷えをリセット!代謝アップのためにできること

体を温める作用のある食品、血行を良くする食品を選び、温かい料理を食べることも大切です。
冷え対策は、「温める」「動かす」「整える」の3つのアプローチが効果的です。
<温める>
冷たい食べ物・飲み物の摂取量が多いことや、食事量が少ない、不規則な生活で食生活が乱れがちなど、これらは冷えの原因となり、やせるどころか肥満の原因にもなり得ます。
実は食事をするだけでも熱は生まれます。食後に体が温まることは経験上ご存知だと思いますが、これは食べた物を消化する際に熱が発生する、「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼ばれる現象です。
そして、体を温める作用のある食品、血行を良くする食品を選び、温かい料理を食べることも大切です。特に、熱を産生する筋肉を作る元となるタンパク質(魚・肉・卵)や、血液を作る鉄(レバー、赤身肉、貝類、小松菜など)は、毎日適量を摂るようにしましょう。
【体を温める食べ物】
野菜 → ねぎ、しょうが、にんにく、れんこん、ごぼう、にんじんなど
色の濃いもの → 小豆、紅茶、赤ワイン、黒ゴマ、黒豆、玄米など
動物性食品 → ヒレやももなど赤身の部位の肉、レバー、鮭、いわし、チーズなど
<動かす>
乗り物や家電などにより、昔に比べ現代では運動量の低下に伴い筋肉量も減ってきています。実際、現代人に平熱が低く体が冷えがちな人が多い理由に、主にこのことが挙げられます。
運動で筋肉を動かすことで代謝が良くなり、体の中では熱が産生されやすくなります。筋肉を動かすことで体の末端まで血液が循環しますので、末端冷え性の人は日常的に体を動かすようにすると良いでしょう。
ジム通いやランニングなど、特別な運動をする必要はありません。毎日なるべく多く歩き、その際は大股で早歩き、エレベーターやエスカレーターをなるべく使わず階段を上る、テレビを見るときにはストレッチやスクワットをしながらなど、まずは生活の中でできることを実行してみてください。1日10〜20分でも継続することが重要です。

リラックスして副交感神経が高まりますので、体を温める相乗効果が得られます。
<整える>
シャワーだけで済ませずに、温かいお風呂にゆっくり浸かり体を芯から温めましょう。リラックスして副交感神経が高まりますので、体を温める相乗効果が得られます。
薄着は厳禁、女性はスカートよりもパンツスタイルのほうが平熱アップには有効です。
スカート派の人は、オーバーパンツを利用するのも良いでしょう。在宅時や就寝時には腹巻をつけるのも効果的です。
また、体温調整には自律神経とホルモンが大きく関わっています。これらのバランスを崩すのは、やはりストレスです。入浴はシャワーで済ませずに、40℃前後のぬるめのお湯に15分程度浸かることで副交感神経が優位になり、リラックス効果&体温上昇が得られます。寝る1時間前の入浴は深部体温を一時的に上げ、下がるタイミングで自然な眠気を誘導。良質な睡眠は代謝ホルモンの分泌を促します。
関連記事
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html
テルモ体温研究所 https://www.terumo-taion.jp/health/temperature/01.html
女性の健康推進室 ヘルスケアラボ http://w-health.jp/
今回のまとめ
体脂肪を落とすには、摂取カロリー<消費カロリーの原則はもちろんですが、そもそも代謝が低ければ体脂肪を燃やす力が足りない状態です。
冷えによる代謝低下を放置していては、どんなダイエットも成果が出にくくなってしまいます。
まずは日常の冷え習慣を見直し、できるところから「温める生活」にシフトしてみてください。
体がぽかぽか温まると自然と代謝も上がり、脂肪も燃えやすい状態に整っていきます。
無理のないリズムで冷え対策を習慣化していきましょう。

































