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お酒を飲まなくても脂肪肝に!脂肪肝を解消するには

脂肪肝の原因はお酒の飲み過ぎだけではありません。飲み過ぎ以上に警戒しなければならないのが食べ過ぎなのです
脂肪肝の原因はお酒の飲み過ぎだけではありません。飲み過ぎ以上に警戒しなければならないのが食べ過ぎなのです

食べ過ぎも脂肪肝の原因に!

お酒を飲む人にとって健康診断で気になるのが、γ(ガンマ)-GTPなど肝機能に関する数値ではないでしょうか。
この数値が高いと脂肪肝が疑われますが、その原因はお酒の飲み過ぎだけではありません。飲み過ぎ以上に警戒しなければならないのが食べ過ぎなのです。そして、急激なダイエットやリバウンドによっても脂肪肝になることが分かっています。

解毒や代謝など多様な働きをする肝臓の機能は、常に最適化しておくことで体のコンディションも良くなります。
肝機能を高めるための具体的な方法には、どのようなものがあるのでしょうか。

【contents】

肝臓はどんな臓器?

肝臓は人の臓器の中で最も大きく、成人男性では約1~1.5㎏ほどの重さで、右上腹部に存在します

肝臓は人の臓器の中で最も大きく、成人男性では約1~1.5㎏ほどの重さで、右上腹部に存在します。
肝臓には主に3つの働きがあります。

①代謝
人の体は、食品に含まれる栄養素を胃や腸で分解・吸収し、肝臓で利用しやすい物質にして貯蔵します。糖質からはグリコーゲン、脂肪酸からは中性脂肪やコレステロール、アミノ酸からタンパク質を合成します。
そして必要に応じてそれらを分解し、エネルギーなどを作り出します。しかし食べ過ぎや飲み過ぎなどにより必要以上にエネルギーを摂取すると、肝臓に脂肪が蓄積し、肝臓機能の低下の原因になります。

②解毒
アルコールや薬など摂取した物質や、代謝の際に生じた有害な物質を、肝臓で無毒化させ尿や胆汁中に排泄するという解毒作用があります。
肝臓の解毒作用が追い付かない量のアルコールや薬を摂取すると、肝臓への負担が大きくなってしまいます。

③胆汁の生成・分泌
「胆汁(たんじゅう)」は、肝臓の中で常に分泌されている物質であり、1日に1ℓほどの胆汁を合成しています。胆汁は主に脂肪の乳化とタンパク質を分解しやすくする働きがあり、この働きによって脂肪は腸から吸収されやすくなります。

また、コレステロールを体外に排出する際にも必要な物質です。肝臓の機能が低下し胆汁の流れが悪くなると、血液中にビリルビンという色素が増え、白目や皮膚が黄色くなる黄疸(おうだん)と呼ばれる症状が見られるようになります。

基準値内でも脂肪肝は始まっている

脂肪肝になっても自分で気づくことは難しく、定期的に健康診断などで血液検査を受け、肝機能の数値をチェックする必要があります

「沈黙の臓器」と呼ばれている肝臓は、機能が低下しても自覚症状がほとんどないと言われています。脂肪肝になっても自分で気づくことは難しく、定期的に健康診断などで血液検査を受け、肝機能の数値をチェックする必要があります。

チェックするべき項目は、γ-GTP、AST(GOT)、ALT(GPT)です。いずれも肝臓内にある酵素で、肝細胞が壊れると血中に増えるため血液検査によって肝臓の状態が分かります。
基準値は以下の通り。

●γ-GTP
基準値 女性30IU/ℓ以下 男性80IU/ℓ以下
●AST(GOT)
基準値7~38IU/ℓ
●ALT(GPT)
基準値 4~44IU/ℓ

警戒したいのが、この基準値内に数値が治まっていたとしても脂肪肝が始まっているケースが多いということ。ALTの数は女性なら20IU/ℓ以上、男性は30IU/ℓ以上の場合、軽度の脂肪肝になっていると考えられています。健康診断の結果で「要検査」と記載されていなくても要注意なのです。

脂肪肝を解消するには

脂肪肝を解消し数値を適正値に収めるためには、酒量を減らしつつ食生活の改善が必須です。
その具体的な方法を説明します。

【お酒はほどほどに】

飲んだお酒を分解し無毒化する役割を担うのは肝臓。酒量が増えればその分肝臓の負担は大きくなります

飲んだお酒を分解し無毒化する役割を担うのは肝臓。酒量が増えればその分肝臓の負担は大きくなります。
体質や体格にもよりますが、お酒の適量は純アルコール換算で1日20gです。ビールならロング缶1本、ワインならグラス2杯(240ml)、日本酒は1合程度となります。

アルコールには利尿作用があり、体内が脱水状態になると肝臓のはたらきは低下します。同量の水を用意し、お酒と水を交互に飲むようにしましょう。二日酔い防止にもなります。

【お酒のおつまみは食べるべし】
胃に何も入っていない状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収率が上がり肝臓の負担が高くなります。アルコールの吸収を穏やかにし、肝臓をしっかり働かせてくれる栄養素を含むものを食べましょう。
タンパク質が豊富なものが良いです。おすすめは枝豆、焼き鳥、魚介類、卵料理など。
控えるべきは、糖質の高いもの。糖質はタンパク質に比べ吸収が早く、肝臓は糖質とアルコールの両方を同時に代謝しなければならず、負担がかかってしまいます。

【糖質を控える】

脂肪肝の原因のひとつは糖質の摂り過ぎです。既に脂肪肝が始まり肝臓が弱っている場合、糖質の摂取量をセーブすることが効果的

脂肪肝の原因のひとつは糖質の摂り過ぎです。既に脂肪肝が始まり肝臓が弱っている場合、糖質の摂取量をセーブすることが効果的。お菓子やジュースなど砂糖入りの食品は減らし、主食はあくまでも適量を食べるようにします。ご飯なら1食あたり150gが適量です。

注意したいのが、極端な糖質制限です。急激に糖質が入って来なくなると体は飢餓状態だと判断し、肝臓に脂肪を貯蔵してしまいます。

【タンパク質は適量を食べる】
タンパク質は摂り過ぎも不足も脂肪肝に繋がります。糖質同様に適量を食べましょう。
タンパク源となる魚・肉・大豆製品・卵などは、1食あたり自分の手のひら1枚分(指は含まない)です。
タンパク質は肝臓そのものや体内酵素の材料となります。

【緑茶を飲む】

肝臓は活性酸素の影響を特に受けやすい臓器と言われています。活性酸素を抑えるためには、抗酸化作用のある物質を日常的に摂取すると良いでしょう

肝臓は活性酸素の影響を特に受けやすい臓器と言われています。活性酸素を抑えるためには、抗酸化作用のある物質を日常的に摂取すると良いでしょう。

緑茶に含まれる茶カテキンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用があるほか、内臓脂肪のケアにも効果があります。高濃度の茶カテキンが含まれる飲料は、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品にも利用されています。
普通の緑茶を飲むことでも茶カテキンを摂取することができますが、より多くの量を摂取するには茶葉をまるごと粉にした粉末緑茶がおすすめ。

【野菜・果物ジュースに注意】
野菜や果物を食べることと、野菜ジュースや果物ジュースを飲むことは似て非なるものです。本物の野菜や果物を食べることは健康的ですが、ジュースになると話は別。

野菜ジュースや果物ジュースには食物繊維が含まれていない上に果糖が多く含まれていることが多く、果糖の摂取過多は脂肪肝に繋がります。果糖は糖質ですが血糖値には影響せず、その代わり肝臓で脂肪になるのです。
同じ理由で、「果糖ブドウ糖液糖」を含む飲料や食品にも注意が必要です。

【有酸素運動で脂肪を燃焼させる】
肝臓の脂肪を落とすには有酸素運動が有効です。
有酸素運動とは、ウォーキング、ランニング、サイクリングなど、少し息が上がる程度(脈拍125~155が目安)で、酸素を消費し充分な呼吸を確保しながら行う継続的な運動のこと。

脂肪を燃焼させるには、連続して10分程度で効果があると最近では考えられています。これが有酸素運動の効果を得られる最低ラインの時間です。
有酸素運動の頻度については、例えば週に1回だけまとめて行うよりも、月・水・金など、1日10分以上を週3日に分けて行う方が効果的です。

参考
肝炎.ネットhttps://www.kanen-net.info/kanennet/knowledge/inspection01
e-ヘルスネット(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-033.html

今回のまとめ

脂肪肝は多量の飲酒だけでなく、食べ過ぎや糖質制限ダイエット、タンパク質の過剰摂取など偏った食べ方も原因になります。
ダイエットの基本通り、適度な運動と適量の食事が大切です。

Category : 雑学/健康・ダイエット

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