食後の運動によるダイエット効果はある?
「食後の運動」というワードは昔からあるものの、果たして本当に体に良いのでしょうか?
食後すぐは消化吸収のために胃腸が活発に動いているので、体を動かさずにいるほうが消化に良いと言われている一方で、食べてすぐに寝ると(横になると)牛になるという言葉もあります。体にとっては一体どちらが正解なのでしょうか?
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血糖値とダイエットの関係
まず太るメカニズムについてです。
例えば、人気の糖質制限ダイエット(炭水化物抜きダイエット)では、血糖値をできるだけ上昇させないようにすることでダイエットができるとされているように、糖質・血糖値とダイエットとは直接的な関係があります。
血液中には糖(ブドウ糖)が溶けており、その濃度を示す数値は「血糖値」と呼ばれます。数値が高いほど含まれる糖が多いということになります。
飲食により糖質(炭水化物)を摂ると体内でブドウ糖に分解され、血液中に入り血糖値を上昇させます。これが「食後血糖値」です。
健康な人の体では血糖値を下げる「インシュリン」と、上げる働きをする「グルカゴン」の作用によって、血糖値は適正値内になるよう調節されています。
血糖値が上がるとすい臓からインシュリンが分泌され、糖をエネルギーとして筋肉や臓器などに送る一方で、使われなかった糖を脂肪として溜め込みます。
これが体に脂肪がつく仕組みです。
糖が余ると脂肪になる
体内に入ってきた糖がすべてエネルギーとして使われ余らなければ良いのですが、血糖値の上がり方が急であればあるほどインシュリンが多量に分泌され、「糖が余っている=脂肪に溜め込まなければ」と体が判断してしまいます。
ですので、血糖値を急に上げないことが重要です。
血糖値がゆっくり上がれば、インシュリンの分泌量が少なくなります。この働きを踏まえて、できるだけ血糖値を急激に上げないようにすることで、脂肪に蓄えられるのを防ぐことができます。
食後の運動が血糖値を下げる
食べたものを体脂肪にしないためには、血糖値を急上昇させないこと。そしてもう一つ重要なのが、上がった食後血糖値を下げることです。食後血糖値は自分で下げることができるのです。そのために有効なのは運動です。
食後30分〜1時間ほど経つと、食べたものが消化吸収され血糖値が上昇していきます。その時間に合わせて体を動かすことで全身に血液が行き渡り、消化吸収の速度を遅くすることや血糖をエネルギーとして消費することができ、血糖値を下げることができるのです。最新の研究では、食後なるべく早め(15分後程度)に体を動かすことで、血糖値の上昇を抑える効果が高くなるとされています。食べた直後に激しい運動や入浴をすると、消化不良を起こしてしまうこともありますので、食べた直後の運動はNGです。ただし、遅くても食後1時間以内には体を動かすと良いでしょう。
体を動かすといっても本格的な運動ではなく、家事、ウォーキング、階段の昇り降り、ストレッチなどの軽い運動で構いません。運動を行う時間の目安は20分です。
食後にゴロゴロしたくなるのは、食事量が多すぎるかもしれません。動きたくなくなるまで食べるのはやめ、腹八分目を心掛けましょう。
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e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary-summaries/m-diabetic
今回のまとめ
血糖値とダイエットの関係は密接で、急激な血糖上昇は脂肪蓄積を招きます。
食後の運動はダイエットにも健康にも効果的です。
食後15分後以降に行うことで、消化不良を起こさずに血糖値を下げることができます。
ちなみに食べた直後に眠ると、胃腸への血流が減り消化不良を起こしてしまう上に太りやすいので、できる限り避けましょう。睡眠の質も低下し、浅い眠りになってしまいます。