ダイエットや美容で人気の腸活がお腹のコンディションを悪化させる!?
お腹の不調は腸活が原因の可能性が
ヨーグルトや納豆を毎日食べて腸活しているのに効果が出ない、それどころか反対にお腹の調子が悪くなる、少しの量しか食べていないのに膨満感でお腹が膨れて苦しい…
このように何をしてもお腹の調子が上向かないと感じている人は、体に良いと信じて実践している腸活それこそが、体調を悪化させている原因となっているかもしれません。
体に合う食べ物・合わない食べ物を見極めるために、知っておきたいあるルールとは?
【contents】
小腸で細菌が異常繁殖する「SIBO」とは
ダイエット、美肌、健康、そして免疫力アップなど、全身のコンディションに大きく関与していることで注目されている腸内環境。発酵食品や食物繊維を積極的に食べて、腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整えようと意識している人も多いと思います。しかし、体調や便通が整うどころか逆効果になってしまう人が少なからずいるようです。
これは「SIBO(小腸内細菌異常増殖症)」というものが原因となっている可能性があります。SIBOは「Small Intestinal Bacterial Overgrowth」の略で、小腸内に細菌が異常増殖し、腹部の不快感や膨満感、お腹のガス溜まり、ゲップがよく出る、下痢や便秘などの症状を引き起こします。
SIBOは自律神経の乱れやストレス、過敏性腸症候群や糖尿病性神経障害などが原因で小腸の動きが鈍くなっているっているケースのほかに、発酵食品の摂りすぎが一因になることがあります。
腸内細菌の多くは大腸に生息し、もともと小腸に住んでいる菌はわずか。そこへ発酵食品を多量に摂取して大腸の細菌が増殖し、その増殖した細菌が小腸へ流れ込んでしまい、SIBOを誘発することがあるそうです。
小腸は栄養を吸収するための臓器です。そこにあるべきでない量の細菌が存在すると、食べ物の栄養素が小腸から吸収される前に細菌たちに食べられてしまい、ガスを発生させます。これが胃腸の不快感や便通に悪影響を及ぼしていると考えられています。
小腸で細菌のエサになってしまう食べ物
腸内細菌が好む食べ物が小腸にたくさん入ってくると、小腸内で増殖した細菌がさらに繁殖し、SIBOの症状をより重くしてしまうことがあります。
こうした症状を起こす食べ物は「FODMAP(フォドマップ)」と呼ばれ、発酵性の糖質を分類しています。FODMAPとは、次の頭文字を取った言葉です。
F=Fermentable、「発酵性の」という意味で、次の4つの糖質にかかるワードです。
O=Oligosaccharides はオリゴ糖や納豆や小麦のフルクタン。
D=Disaccharides は二糖類で、乳糖など。
M=Monosaccharides は単糖類で、フルクトース(果糖)。
A=AND
P=Polyols はポリオール。キシリトール、マッシュルームなど。
これらの糖質が、小腸での吸収が悪く小腸内細菌のエサとなってしまう発酵性食品ということになります。
高FODMAP食と低FODMAP食
FODMAPは、穀類、野菜類、フルーツなど、同じグループどうしでも小腸で発酵しやすい高FODMAP食と、その恐れの少ない低FODOMAP食に分かれます。同じ野菜でも、例えばアスパラガスはNGだけどブロッコリーはOKといった具合に分かれるので、知識がなければ判別することは難しいです。
日常的に口にすることの多い食品を、下記のリストから参考にしてみてください。
●穀類
低FODMAP食
米、玄米、米粉類、もち米、そば粉100%のそば(十割そば)、オートミールなど
高FODMAP食
小麦、大麦、ライ麦、パン、パスタ、ラーメン、うどん、そうめん、とうもろこし など
●野菜・いも・きのこ・豆
低FODMAP食
なす、人参、レタス、キャベツ、白菜、きゅうり、じゃがいも、しょうが、トマト、ブロッコリー、たけのこ、ピーマン、ほうれん草、かぼちゃ など
高FODMAP食
キムチ、アスパラガス、にら、セロリ、にんにく、玉ねぎ、長ねぎ、ごぼう、さつまいも、カリフラワー、豆類、納豆など
●フルーツ、ナッツ
低FODMAP食
バナナ、いちご、ぶどう、メロン、キウイフルーツ、みかん、オレンジ、レモン、少量のアーモンド、ヘーゼルナッツ など
高FODMAP食
りんご、すいか、桃、なし、グレープフルーツ、アボカド、柿、カシューナッツ、ピスタチオ など
●乳製品
低FODMAP食
バター、マーガリン(牛乳を含まない物)、チェダーチーズ、モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、パルメザンチーズなど
高FODMAP食
牛乳、ブルーチーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、クリームチーズ、コンデンスミルクなど
●肉・魚介・卵・ナッツ・スパイス、調味料
低FODMAP食
ベーコン、ハム、豚肉、牛肉(赤身)、鶏肉、卵、魚介類、ピーナッツ、マヨネーズ、オリーブオイル、ソース、しょうゆ、みそなど
高FODMAP食
ソーセージ、わさび、カシューナッツ、ピスタチオ、はちみつ、オリゴ糖、人工甘味料、果糖ブドウ糖液糖、アガベシロップ、キシリトールなど
体質に合う食品の見極め
発酵食品や食物繊維が豊富な食べ物を積極的に摂取していたのにもかかわらず、お腹の調子が改善されなかったという人は、上記のリストを参考に食べる内容を一度見直してみてはいかがでしょうか。
納豆やヨーグルトなどの発酵食品やごぼうや豆類の食物繊維には、確かに腸内環境を改善する効果があります。しかし、それが誰にでも効果がある訳ではないことが明らかになってきているのです。
また、SIBOは四六時中ものを食べていて胃腸が休まらない人や、パン、パスタ、シリアル、ピザなど小麦粉食品をよく食べる人に多いという説があるようです。
胃腸の不調を感じている人は、まずは3週間、低FODMAP食を中心とした食生活に変えてみましょう。その後は食べた内容・食材を記録しながら、高FODMAP食のグループを少しずつ試します。
食後の膨満感やお腹のガスの溜まり方、ゲップの回数、便の状態などをチェックして、自分の体質に合っているかを確認しましょう。
高FODMAP食といっても、すべてが体に合わないということではありません。
納豆を食べると膨満感で苦しくなるけど、牛乳やヨーグルトは問題ないということもごく一般的です。
自分の体に合ったものを探しましょう。
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Nutritionist resource https://www.nutritionist-resource.org.uk/memberarticles/can-i-tackle-the-low-fodmap-diet-on-my-own
日本消化器病学会 https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/ibs.html
Health line https://www.healthline.com/health/sibo-diet
今回のまとめ
ヨーグルトや納豆など、体に良いはずの食品が体に悪影響を及ぼしていたなんて衝撃的ですよね。
胃腸の不調はSIBO以外にもさまざまですが、食後に妙な不快感があった経験がある人は、一度低FODMAP食を試してみても良いかもしれません。